21日朝、X(旧ツイッター)で《国民実感》《明記義務化》なる“謎”の言葉がトレンド入りした。同日の「読売新聞オンライン」が、「政府は、6月から始まる所得税と住民税の定額減税について、企業などに対して給与明細に所得税の減税額を明記するよう義務づける方針を決めた。」と報じたためだ。
岸田政権は2023年11月、24年6月の夏のボーナス支給のタイミングで、所得税と住民税あわせて一人当たり4万円を減税するなどの経済対策を閣議決定。具体的には6月1日以降に支給される給与やボーナスから天引き(源泉徴収)される所得税から減税分を差し引くなどの対応がとられる見通しで、岸田文雄首相(66)は今月20日の党役員会で、「給与や賞与の支払時に減税の恩恵を国民に実感いただくことが重要だ。給与明細へ明記されるようにするとともに、集中的な広報などで発信を強める」と語った。
■明記しないと国民が実感できない政策なんて愚策の証拠
内閣支持率が1割台後半~2割台で低迷している岸田首相にとって、今回の定額減税は政権浮揚のチャンス。そのために減税額の明記を義務化して国民に恩恵を実感してほしい――と考えているのだろうが、約5000万人の給与所得者の明記義務化はそう簡単ではない。
そもそも、どのように明記するのか。そのためのシステム改修や事務のコストは誰が負担するのか。義務化については6月1日施行の関係省令改正で行うというのだが、6月まで残り期間は10日間ほど。仮に1日支給の会社の場合、金融機関に対する振り込み手続きの関係上、数日間しかないだろう。大手企業であればともかく、これほど短い期間で「明記義務化」に対応できる中小企業は限られているのではないか。
《6月からって間に合うはずないだろう。岸田のおぼっちゃんは、サラリーマンの給与明細書を知っているのか》
《こんな間際のギリギリになって…。明記しないと国民が実感できない政策なんて愚策の証拠》
《やることなすことロクでもないことばかりだ》
岸田首相が動けば動くほど、逆に世論の反発を買っているようだ。