あわせて読みたい
メッシの神戸戦途中出場に中国側の怒りが〝爆発〟 法的措置視野で国家規模の問題に発展へ
メッシは後半34分にシュートを連発するなどキレキレの動きを披露。観客数は2万8614人と寂しかったが、日本のファンを魅了した。だが、これに納得がいかないのが中国や香港だ。マイアミは今回のアジアツアーで4試合を開催。メッシは1月29日のサウジアラビア1部アルヒラル戦、今月1日の同アルナスル戦、そしてこの日の神戸戦とプレーしたが、4日の香港リーグ選抜戦だけ「内転筋の違和感」を理由に欠場した。
香港での試合後には観客たちから「金返せ!」の怒号が飛び交い、香港政府が失望を表明する異例の事態に。負傷でプレーできないはずが、わずか3日後の神戸戦で30分以上も全力プレーを見せたことで怒りの火に油を注ぎ、中国のSNSでは「二度と中国に来るな!」などとファンから非難の嵐となった。
マイアミのヘラルド・マルティーノ監督は試合後に「香港のファンがメッシが出場しなかったことで、失望したのも理解できる。ただ、あの試合に彼を起用するのは非常にリスクが大きかった。本当に彼には4試合とも出てほしかったが…」と釈明したものの、今後の事態の深刻化は避けられそうにない。
中国メディア「東洋フォーチュンネットワーク」はメッシの件に関して「警察は通報を受けており、追跡調査のため香港税関に移送した。貿易明細条例違反が発見された場合には適切な法執行措置が取られる」と報道。マイアミやメッシ、主催者などに法的措置が取られる可能性が出てきた。
また、政治学博士の林松氏は同国メディア「看中国」で今回の件を「中国共産党は常にスポーツを政治と結び付け、利用してきた。政治家は不人気になるとスポーツを利用する」と指摘。続けて「メッシを通じて香港を称賛することで、李家超(香港行政長官)は北京(中国共産党)と習近平(国家主席)の手柄にできた。しかしおかしなことに、メッシは彼を無視したのだ」との見解を示した。
メッシは欠場で大騒動を起こし、その際に李長官と握手をしなかったことも波紋を呼んでいる。顔に泥を塗られた格好となった李長官は会見で「この件は香港のイメージを傷つけた。責任を追及する」と怒りの表明。蜜月関係の中国共産党も国民の人気取りのため、メッシ騒動を徹底的に責め立てることも予想される。すでに中国では、メッシがスポンサー契約を結ぶ企業のSNSに批判が殺到して不買運動の動きも出ている。
日本の行政関係者も「中国共産党がこれを利用して極端な措置を取ることも考えられる」と指摘。中国国民から噴出するメッシの入国禁止要求を実行に移す選択肢や、香港側が巨額の損害賠償に踏み切る可能性もある。メッシ騒動は国家規模の問題に発展しそうだ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2ee1141a59c50fedd6e8c2fb34e757f48a8411c2