《安倍元首相銃殺》「母親が宗教に傾倒し、大病を患う兄が自殺」山上徹也容疑者が自殺未遂に至った“不遇な家庭環境”と事件直前の“悪質レビュートラブル”

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《安倍元首相銃殺》「母親が宗教に傾倒し、大病を患う兄が自殺」山上徹也容疑者が自殺未遂に至った“不遇な家庭環境”と事件直前の“悪質レビュートラブル”

《卒アル写真入手》安倍元首相銃殺の山上徹也容疑者の“意外な青春時代”と“事件直前の異変”「上品な一家だったけど『宗教に入りたい』」「『オマエがやれや』と反抗的な態度で…」 から続く

「入信した母が破産した後も団体に金を納め続けていたため、許せなかった」(山上徹也容疑者の供述)

 近鉄大和西大寺駅前で8日、応援演説のため壇上に登った安倍晋三元首相(67)が背後から狙撃され、死亡した事件。犯行直後に殺人未遂容疑で逮捕されたのは、現場からほど近いマンションで一人暮らしをする山上徹也容疑者(41)だった。

事件前の足取りで見えてきた“明確な殺意”

 奈良県警は10日、殺人未遂容疑から殺人容疑に切り替え、山上容疑者を奈良地検に送致した。その後の警察の捜査で、新たにインターネットで部品や火薬を調達して周到に自家製銃を作り上げていたほか、押収した山上容疑者の車から、試し撃ちに使ったとされる複数の穴が開いた木板が発見されたことが判明。犯行前日の7日夜にも、岡山市の応援演説会場付近を訪れ狙撃の機会を狙うなど、決して衝動的とは言えない、“明確な殺意”があったことがわかってきた。

「政治信条に対する恨みではない」

 それが犯行当初からの一貫した山上容疑者の供述だったが、謎に包まれているのは「ある宗教団体に恨みがあり、元首相と団体がつながっていると思い込み犯行に及んだ」とする動機だ。元首相を殺害するまでに山上容疑者を駆り立てた憎悪とは、一体何だったのか。背景には、幼少期からつきまとう“死の影”があったようだ。

 捜査関係者が話す。

が急死、母親は宗教に傾倒し破産、兄は自殺…

「山上容疑者には厳しい家庭環境で育ったようです。親族によると、もともと父は名門大学の工学部を卒業後、自分で建築会社を経営する裕福な家庭でした。しかし山上容疑者が5歳の頃に急死。そこから一家の暗転が始まります。悲しみを和らげるためか、母はある宗教団体にのめり込み、お金の使い込みが激しくなっていったのです。山上容疑者の祖父の死後、母は祖父が経営していた会社を引き継ぎましたが、その金も宗教団体に使い込んでいきました」

 結果として、山上容疑者の母は2002年、自己破産をするまでに追い込まれてしまう。山上容疑者の母が所属していた宗教団体への恨みは相当根深かったようだ。捜査関係者が続ける。

「山上容疑者は歳の近い兄と妹がおり、3人兄弟でした。しかし母が宗教に金を使い込んだ結果、兄妹は食べるにも困る生活を送っていたようです。山上容疑者は県内屈指の名門進学高校に進学しながらも兄同様、大学には通えず専門学校に進学することになりました」

追い打ちをかけた大病を患う兄の自殺

 母親の宗教への傾倒による生活苦――。そして山上家に追い討ちをかけたのが、兄の自殺だった。

「兄は大病を患い、長年治療に苦しんでいました。ですが、母親は宗教団体への献金や行事参加にのめり込み、一家は借金苦に喘いでいた。その結果、疲れ果てて、ついに兄は自殺に追い込まれてしまったのです。山上容疑者には相当ショックだったと思います。山上容疑者自身もこうした生活に相当苦しんでいたようで、海上自衛隊時代には自殺未遂の過去があるようです」(前出・捜査関係者)

 亡くなった兄の同級生が明かす。

「山上くんの家へ遊びに行ったことがありますが、お母さんはとても優しい人でした。もっと言うと優しすぎるお母さんお兄ちゃんには特に甘くて、なんでも買い与えていました。彼が大病を患っていたとは知りませんでしたが、頭が陥没していたり話し方がゆっくりだったりして、何かしらの障害はあるんだろうなとは思っていました。勉強もあまりできるほうではなかった印象ですが、日常生活に困るほどではなかったと思います。普通に高校にも進学してましたから……」

 高校時代の友人によると、学生時代は応援団と文芸部に所属し、口数が少なかったという山上容疑者。学生時代の知人や職場関係者からは「真面目で静か」といった声が多いものの、昨年からは職場の上司の指示にたびたび反抗するなど、犯行の前触れを思わせる精神の安定を欠いた状態だったという。

事件直前に“☆1の恨み節レビュートラブル

 犯行直前にも、こんな近隣トラブルがあったという。山上容疑者の自宅付近のレストラン従業員が「事件が起きた時に『あの時の奴や』と驚きました」とこう明かす。

6月19日昼、見知らぬ男が黒の軽自動車レストラン駐車場に無断で停めていたのを見つけ、オーナーが注意したんです。その場では『すみません』と立ち去っていきましたが、夜になると店のGoogleレビューに書き込みがあったんです」

 レストラン従業員が「見かけてすぐに撮った」というレビュースクリーンショットには、匿名でこう書き込まれている。

定休日だったこの店の駐車場を10分ほど初めて拝借すると、そこに自転車で通りがかった店主が「そこウチの駐車場なんですけど?」 知っとるわ》

《これから(店の車が路駐しているのを)見かけたら必ず言うようにするわ》

「☆1の恨み節満載のレビューでした。実際に翌朝、店の裏口で荷物を積んでいたら、黒のポロシャツにスウェットのようなズボンを履いた男性がつかつかと歩み寄ってきて、『車、邪魔や』と小さな声で言い残し、去っていきました。突然のことでしたから、怖かったし驚きました。その後、本人が消したようで、そのレビューは消えていましたが……」

 自分が置かれた境遇へのやり場のない怒りをどこに向ければ良いのか、山上容疑者自身もコントロールができなくなっていたのだろうか。

「実はこうした山上容疑者の過去を詳しく知る母は、山上容疑者の犯行後、行方をくらましたままなのです。安倍元首相を殺害するまでの経緯が明らかになるには、もう少し時間がかかりそうです」(前出・捜査関係者)

 事件現場で取り押さえられた際には、山上容疑者は抵抗もせず、静かに組伏されたままだったという。世間を揺るがす大事件を起こした山上容疑者は今、何を思うのだろうか。

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(「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班))

10日午前9時、奈良西署から奈良地検に送検される山上徹也容疑者。建物を出て車両に乗り込むまでの間、ほぼ無表情で終始俯き加減だった。山上容疑者の姿をおさめようと、署には早朝から100人近くの報道陣が駆け付けた ©文藝春秋 撮影/上田康太郎

(出典 news.nicovideo.jp)

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