強い軍事力で平和守る　北朝鮮には触れず―韓国大統領

　【ソウル時事】韓国の文在寅大統領は「国軍の日」の１日、慶尚北道浦項で行われた記念式典で演説し、軍事力強化を進める考えを強調した。その上で、先に国連で提案した朝鮮戦争の終戦宣言に触れ「国軍最高統帥権者の最大の責務は朝鮮半島の恒久的平和をつくり、守ることだ」と述べた。

　文氏は潜水艦発射弾道ミサイル（ＳＬＢＭ）装着の潜水艦や軽空母開発などを紹介し、「誰も揺るがすことができない力を育むため最善の努力を尽くしている」と訴えた。
　北朝鮮は１日、前日に新型対空ミサイル発射実験を行ったと公表した。９月以降ミサイル発射を繰り返している北朝鮮は、金正恩朝鮮労働党総書記が南北通信線を復旧させる考えを示すなど関係改善の姿勢も見せつつ、韓国が自ら軍備増強を図りながら北朝鮮のミサイル発射を「挑発」と見なすのを「二重基準」と非難している。
　最近の北朝鮮の動きを踏まえ、文氏は「国民の生命と安全を脅かすいかなる行為に対しても断固として対応する」と述べたものの、演説で「北朝鮮」に言及しなかった。刺激を避けようとしたとみられる。

2021年10月01日14時24分