2024年6月9日 17時00分
マイナ保険証の利用促進に駆り立てられている薬局や病院。窓口で患者にマイナ保険証の利用を迫るあまり、大手薬局では謝罪文を出す事態に発展した。
この大手薬局は昨年末から、薬の処方に当たって保険資格の確認に現行の健康保険証を使うことを取りやめていた。今年12月の廃止前から現行の保険証が使えないと受け取れるような対応に、問題はないのだろうか。(戎野文菜)
◆Xに投稿された謝罪文には
6月3日、X(旧Twitter)に、マイナ保険証を巡る薬局の対応について、次のような謝罪文が投稿された。
男性がXに投稿した謝罪文の文面。薬局側は「誤解を招く説明があり」などと書いていた
「マイナ保険証がなくても受付が可能でございます」
「誤解を招く説明があり、私の指導不足を痛感しております」
「スタッフには厳しく指導いたしました」
謝罪文に記されていた業界大手の薬局チェーンに取材すると、同社の薬局を利用した患者に送ったものだと認めた。
◆「マイナ保険証のみ」と受け止めた
謝罪文を投稿した東京都の40代男性に経緯を聞くことができた。
男性は5月30日、薬をもらおうと都内の薬局を訪れた。初めての薬局だったので、処方箋と一緒に現行の保険証を差し出した。
薬局職員から「マイナ保険証のみの受け付けになります。マイナンバーカードはお持ちですか?」と告げられ、現行の保険証は突き返されたという。
窓口の対応に、男性は「マイナ保険証がないと薬をもらえないんだ」と受け止めた。
男性はマイナンバーカードを持っていたが、情報漏えいへの不安から保険証の登録はしていなかった。
持病を抱え、すぐに薬がほしかったため、仕方なく窓口にあったカード読み取り機にマイナンバーカードをかざして、マイナ保険証の利用登録をした。
◆納得できず「こんなのありですか」
納得できなかった男性は、Xで疑問をぶつけた。