「核の恐ろしさ、共有しよう」韓国人原爆犠牲者を悼み慰霊祭　広島

韓国人原爆犠牲者慰霊碑に献花する人たち＝広島市中区で2021年8月5日午前10時39分、山田尚弘撮影

　広島原爆の日（6日）を前に、広島市中区の平和記念公園にある韓国人原爆犠牲者慰霊碑の前で5日、慰霊祭が営まれた。在日コリアンら約100人が参列。慰霊碑の前に設けられた献花台に参列者が次々に花を供え、平和への祈りをささげた。

　在日本大韓民国民団広島県地方本部が主催し、今年で52回目。米軍による1945年8月6日の原爆投下で、日本の植民地だった朝鮮半島出身者も数万人が被爆したとされる。昨年から今年にかけ、新たに死亡が確認された13人の被爆者を加えた計2786人の死没者名簿を奉納した。

　被爆者で、韓国原爆被害者対策特別委員会委員長の李鐘根（イジョングン）さん（92）は「亡くなった先輩たちがあの暑い中苦しんだことを考えるとかわいそうだ。核の恐ろしさを共有しなければならない」と話した。【添島香苗】