読売新聞オンライン
山形市の夏の風物詩「山形花笠(はながさ)まつり」(毎年8月5~7日)を盛り上げる「ミス花笠」について、まつりを主催する「山形県花笠協議会」は、女性限定としていた応募条件を今年から変更し、性別を問わずに募集することを決めた。性の多様性やジェンダー平等の観点から判断した。一方、「ミス」の名称は維持する。
ミス花笠は1964年に現名称で選出が始まった。まつりの間、山車に乗ったり、パレード最後尾で踊ったりするほか、まつり以外でも首都圏などに出張し、観光PRを行う。近年は学生を中心に25人前後の応募があり、4人が選ばれる。
同協議会によると、応募条件は長らく、山形県内在住で18~25歳(高校生を除く)の未婚女性だったが、応募者の減少から、2017年に年齢上限を26歳に引き上げ、21年には年齢上限を撤廃。今回は同協議会の職員から「性別で制限されるのは時代にそぐわない」などの声が上がり、「未婚女性」を「未婚の方」に変更したという。
未婚の条件を維持したことについて、同協議会は「ミス花笠には平日や休日に関係なく派遣事業に協力してもらう。家庭生活に支障を来さないため」と説明する。
一方、選ばれた人の性別にかかわらず、「ミス」の名称は継続する方針。同協議会によると、名称の変更は議論にならなかったといい、「名称変更は男性からの応募状況をみて検討する」としている。
山形市観光戦略課の担当者は「長い歴史の中で『ミス花笠』という名称は浸透し、山形県の『顔』の役割も担っている」とした上で、「幅広い人たちから理解を得るためにも、時代や状況に応じた柔軟な考えや検討は必要だ」と話した。