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【産経新聞】 5カ国目の快挙、日本も月面着陸の成功国に JAXAのスリム 太陽電池発電できず活動短縮
月面着陸の成功は米国、旧ソ連、中国、インドに続いて5カ国目。
日本の高い技術力と宇宙ビジネスにおける存在感を、改めて示す快挙となった。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると、スリムは20日午前0時に月の上空を周回する軌道から降下を開始し、午前0時20分ごろ、月面に到達した。機体の状態を伝える信号から、正常な着陸を確認した。
だが、着陸後に太陽電池が発電しない状況になり、電源が内蔵バッテリーだけになったため、数日を予定していた月面での活動期間が、
数時間に縮まった。
これを踏まえ、JAXAの国中均・宇宙科学研究所長は着陸後の記者会見で、計画全体は「ぎりぎり合格の60点」と辛口の評価をした。
今回、スリムは着陸目標地点への誤差を100メートル以内に抑え、海外の探査機に比べて飛躍的に高精度となる「ピンポイント着陸」にも挑戦した。
詳細な成否判明は約1カ月後だが、国中所長は「飛行データなどから、成功はほぼ確実だ」との見方を示した。
成功していれば、計画通りクレーター付近の斜面に着陸しているとみられる。周辺の岩石の成分を分析することで、月の成り立ちの謎を解明する手がかりになるという。
日本の月面着陸は、JAXAの超小型探査機が一昨年11月、通信途絶で計画を断念。
民間企業アイスペースの探査機も昨年4月、月面に激突し失敗している。
また、次世代大型ロケット「H3」などの打ち上げ失敗が相次ぎ、日本の開発力への信頼が大きく揺らいでいたが、スリムの月面着陸成功は、信頼回復への起爆剤となりそうだ。
スリムは昨年9月、鹿児島県の種子島宇宙センターから打ち上げられた。今月15日に着陸準備段階に入り、
月の上空約600キロを周回。19日には高度を15キロまで下げ、着陸態勢に入っていた。
2024/1/20 05:12
産経新聞
https://www.sankei.com/article/20240120-DZUDM2KRHNJPTBNRMPCFDHSP5M/