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7度目Vの青学大・原晋監督が箱根駅伝〝大改革〟を提言「公共文化財という位置付けにするべき」
名将の改革案とは――。
第100回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝)の復路が3日に行われ、青学大が10時間41分25秒で2年ぶり7度目の総合優勝を達成。史上初の2年連続3冠を目指した駒大に6分35秒差をつけて圧勝した。節目の大会を制して新たな歴史を刻む一方で、箱根駅伝は次の100年に向けて課題が山積。さらなる発展を願う原晋監督(56)は、独自の大改革プランを提言した。
今こそ、箱根駅伝のあり方を見直す時だ。1920年に第1回大会がスタートし、今年で100回の節目を迎えた。いまや正月の風物詩として、日本のみならず、海外からも観客が訪れるほど。それだけに、原監督は「社会的影響力も高く、公道を使って開催している。テレビの視聴率も関東地区では30%以上を誇っているので、公共文化財という位置付けにするべきでは」との見解を示した。
現在の箱根駅伝は関東学生陸上競技連盟(関東学連)が主催し、毎年運営を行っている。原監督は「公共文化財の一つなので、東京マラソンを運営する東京マラソン財団のように、関東学連から箱根駅伝を切り離して、一般社団法人が運営していく大会にするべきだと思う」とズバリ提言。収益構造などを明確にすることで「箱根駅伝に携わる選手、指導者がお金に何不自由なく、強化、育成ができる仕組みをつくらないといけない」と力説した。
箱根駅伝の歴史を後世につなぐためには、運営側も時代に合わせて変化していく必要がある。「道路の監督官庁である東京都や神奈川県、あるいは警視庁や神奈川県警、国交省や文科省などを含めた財団として、日本の公共スポーツ文化財として位置づける必要がある」と具体案を示した上で「箱根駅伝が道路事情や経済的な要因など、さまざまなマイナス要因があったとしても、未来永劫必ず実施されるような仕掛けをつくっていくべきではないか」と訴えた。
かねて原監督が訴える〝全国化〟も、箱根駅伝をさらに魅力あるコンテンツに育てるためのアイデアだ。今大会の予選会は全国に門戸を開放するも、予選会を突破した13校は全て関東の大学。2025年は従来通りの形式に戻る。ある関西の大学幹部は「1回だけだと強化したくてもできない。最低でも5年スパンで考えないと、お金の面でも選手強化の面でも厳しい」と明かすなど、不満の声も上がっている。
そんな現状に対し、原監督は「運営側は目先の問題しか捉えられていない。優秀な人材は九州、関西、中国地方などに多いので、全国化すれば、地方大学だって早いうちに優勝争いに絡めると思う」ときっぱり。そして「関東地区の視聴率が今は30%を超えているが、関西地区も同じように30%を超えたら、全国で箱根駅伝を見る層が増えることになる。つまり、大いに盛り上がることにつながる」とメリットを強調した。
全ては箱根駅伝のより一層の活性化を願うからこその発言だ。「野球やサッカーをライバルとして考えないと、誰が長距離を志すかという話。箱根駅伝という文化をもっともっと社会的知名度のある、魅力あるステージに持っていけるようにしないといけない」。陸上のメジャースポーツ化へ、名将の視線は未来を見据えている。
1/4(木) 5:16 東スポ
https://news.yahoo.co.jp/articles/b1329315e06d07199191d58a76e5019a63c31fc8