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いつまでも一緒だよ、などと誓い合って夫婦になったふたり。年をとり、老人ホームに入居することになっても「夫婦同室がいい!」というのが望みかもしれません。そんな願いを叶えてくれる「夫婦で入居可」という施設もありますが、ときに「トラブルの火種」になることも。みていきましょう。
夫婦で「老人ホーム入居」は可能か?
株式会社AlbaLinkが全国の男女500人を対象に行った『老後の住まいに関する意識調査』によると、「老後は持ち家か賃貸か」の問いに対して、70.8%が「持ち家」と回答。また「老後は一戸建てか、集合住宅か」に対しては、「一戸建て」が54.0%と、やや一戸建てが優勢でした。
さらに「老後にどのような住宅に住みたいか」を具体的に聞いたところ、トップは「一戸建て」で48.6%、「サービス付き高齢者向け住宅」、いわゆる「サ高住」が11.6%、「分譲住宅」が10.6%。ほか「有料老人ホーム」7.4%、「シニア向け分譲マンション」6.2%、「シニア向け賃貸住宅」6.0%と、高齢者を対象とした住まいへの人気も高いようです。
「サ高住」と「有料老人ホーム」は、基本的に民間企業が運営する「老人ホーム」。
「サ高住」は、原則60歳以上であれば、介護を必要としていなくても入居が可能。一般の賃貸住宅と同じ賃貸契約で、介護が必要であれば外部サービスを利用することになります。住まいと介護が別契約なので、暮らし方が自由で融通が利くのが特長といえます。
「有料老人ホーム」は大きく「自立型」「住宅型」「介護付」の3種類に分かれます。基本的に「自立型」は健康な人=自立している人が対象、「住宅型」は自立~軽介護、「介護付」は要介護の人が対象。賃貸契約ではなく利用権方式を採用し、終身にわたり居室と共用施設を利用する権利と、生活支援サービスや介護サービスを受ける権利を得ることができます。
また「サ高住」と「有料老人ホーム」のメリットとしてあげられるのが、夫婦で入居が可能な施設が多いという点。公的な施設はほとんどの施設で2人部屋がありません。人気の「特別養護老人ホーム」、いわゆる「特養」では「夫婦別室でも構わない、同時入居したい」と希望するケースも多いといいますが、待機者が多く、別室であっても夫婦同時入居はほぼ不可能といわれています。
民間施設である「サ高住」や「有料老人ホーム」であれば、2人部屋を用意している施設も多く、「夫婦で老人ホームに入居」も可能。ただ2人部屋は数が少なく空きがなかったり、夫婦で介護度に大きな差異があると入居ができなかったりするので、注意しておきたいところです。
死ぬまで一緒だよ…永遠を誓い合った「仲良し夫婦」だったが…
夫婦で老人ホームに入居する場合、1人で入居するよりも費用が抑えられるというメリットも。厚生労働省の資料によると、サ高住の平均費用は付14万0,241円。有料老人ホームでは18万9,982円。2人になると倍になるかといえばそうではなく、食費等は2人分となりますが、室料や光熱費等は1.2倍程度で収まることが多いようです。
70代の両親が揃って住宅型の有料老人ホームに入居したという、50代男性の投稿。両親は終活の一環として一戸建てを売却。ふたりの年金月25万円で入居できるホームを検討したところ、最寄り駅近くに、夫婦入居可の施設があり、すぐに決めたといいます。
昔から仲の良かった両親。「死ぬまで一緒」と老人ホームへの入居を決めたのは、男性としても納得だったといいます。ところが、入居から3ヵ月ほどたったある日、「母が泣きながら電話をかけてきた」といいます。
――もう無理、耐えられない!
興奮しているのか、最初は何を言っているか要領を得なかったといいますが、どうやら父と何かと喧嘩することが多くなり、「もう一緒にいたくない」ということのよう。
――70代にもなって……少々子どもじみた理由に呆れてしまった
と男性。しかし、老人ホームの2人部屋、広めのワンルームといった程度で、常にパートナーが近くにいる状況です。特に戸建て暮らしが長い人であれば、老人ホームで夫婦同室だと「プライベートな時間/空間がない」とストレスを感じやすいようです。夫婦別々にレクリエーションなどに参加して、お互いの時間を大切にできればいいのですが、社交的な性格でない場合、自室に引きこもりがちになり、一層ストレスを溜めてしまうことに。
――たまに息抜きをしにうちに遊びにおいで
と母親を誘いその場を収めたという男性。しかし、またいつ母親が泣きついてくるか……そんなことを考えると、ため息しか出ないといいます。
老人ホームに夫婦で入居。ほかにもどちらかが入院したり、亡くなったりしたら、経済的な負担が大きくなり、住み替えが必要になることも。老人ホームに夫婦で入居には「ずっと一緒にいられる」というメリットだけでなく、デメリットも。これらも十分に検討して、最良の選択をしたいものです。
[参考資料]
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