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【イチローと大谷翔平】どっちが《優れている打者》かデータで判明!そして日本人野手が「MLBで活躍できない」理由とは…
野球データの分析・提供・運用を行う株式会社DELTA社のアナリストで、9月25日に発売された『プロ野球・MLBが10倍楽しくなる! よくわかるセイバーメトリクス』(玄光社)の著者である大南淳さん、宮下博志さんに話を伺った。
大谷選手の“何が”優れているのか
――野球談義をしていると、A選手とB選手のどちらが優れているかというテーマで白熱することがありますが、それぞれの選手の能力について正しく見極めようと思っても、ついつい贔屓目や、勘のようなもので評価をしてしまいがちです。数字やデータは、大きな判断基準になりますね。
大南さん そうですね。たとえば、今年も二刀流で大活躍した大谷翔平選手(エンゼルス)とイチロー選手(元マリナーズほか)、どちらが優れているかというお話をします。
――野球ファンからしてみれば、絶対に答えが出ない究極の問題です。
宮下さん まず前提として、野球は「自分のチームの得点が相手の得点を上回れば勝つスポーツ」なので、得点が何よりも重要です。バッターであれば「得点を増やす」、ピッチャーであれば「失点を減らす」。これが大事なことなんです。
そう考えると、イチロー選手は1番打者、大谷選手はホームランバッターと、一見役割が違うように感じますが、目指している最終目標は同じで、“得点をどれだけ増やすか”。野球はサッカーとは違って、「この選手とこの選手の組み合わせによって得点が増えやすくなる」というケースはなかなかありません。
厳密には異なりますが、基本的に個々の打者の足し算で得点が増えていくものなので、タイプだとか役割は関係なく、得点への貢献度がポイントになります。ですから、セイバーメトリクス的には、どちらが優れているかは“得点への貢献度”で考えることになります。
――では、貢献度というところで見ると、今年の大谷選手の成績はイチロー選手と比べてどうでしょうか?
大南さん イチロー選手のベストは、262安打を放った2004年。これはMLBのセイバーメトリクスの打撃指標としてもベストになりますが、大谷選手はこのときのイチロー選手よりも、得点への貢献度という点においては「かなり優れている」と言えます。
宮下さん 具体的に言うと、メジャーリーグの平均的なバッターに比べて、2004年のイチロー選手は1.31倍の得点をつくっていたと評価できます。これが、今年の大谷選手の場合は1.8倍。数字で見ると大きな差がついています。
実は大谷選手はメジャーリーグ初年度の時点で1.49倍なので、得点貢献度では初年度の時点でイチロー選手を上回っています。
12/4(月) 7:03 現代ビジネス 全文
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