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「異様な訪日韓国人数」しかし、消費額は中国人の4分の1以下、フランス人の9分の1以下
もちろん、その発言の真意は「だから尹氏に投票するな」ということだったが、彼の予測はある意味で当たった。
2023年4月、日本からのビール輸入額は前年同月の86倍にも跳ね上がった。それで一部の韓国人は「日本のビール会社は韓国のおかげで儲けている」と声を張り上げる。しかし、それは全体の構図を見ない〝井の中の蛙〟の声だ。
韓国で日本製ビールが売れるようになり、ユニクロの韓国合弁法人が好調なのは、尹政権の誕生とは(心理面を除けば)関係がない。官製の「ノージャパン(日本製品を買わない、日本旅行をしない)運動」の命脈が尽きただけだ。
ユニクロはノージャパンの最中でも、さして落ち込まなかったし、日本への旅行はコロナ規制の解除と同時に爆発した。
その点、ビールはノージャパンの優等生の座を守ってきたが、これはコンビニなど小売店側が「反日」世論を極度に恐れて、仕入れを止めていたからだ。尹氏の大統領当選決定直後に、コンビニが「頃合い」と見て仕入れを再開したことが大きい。
尹政権が日本旅行を許可したわけでもないし、日本製ビールの購入を薦めたわけでもない。
「4月は86倍」という数字は、いわば最低値と最大値の比較だ。
「日本ビール、韓国で輸入前年比238%増 1位奪還」(中央日報23年10月2日)といった報道を見ると、「日本のビールはすごい」と思う日本人もいるだろう。しかし、韓国のビール市場の4分の3は国内メーカーが握っている。残りの4分の1の中でのトップにすぎない。
それでも、今年7月にはアサヒビールが韓国ビール市場で3位になった。だが、同月の輸入額は朝鮮日報(23年10月5日)によると278億ウォン(約30億円)。日本の年間輸出額は100兆円を超えている。物の数でない
そもそも、世界のビール市場に占める韓国のシェアは1%ほど。「日本からの輸入が激増している、尹氏のせいだ」と熱くなるのは、まさに〝井の中〟の人なのだ。
日本を訪れる外国人観光客数は順調に回復している。とりわけ韓国人の人数がすごい。韓国側資料では今年1~9月の訪日韓国人は489万人。いくら「ボッタクリの済州(チェジュ)島に行くより安上がり」とはいえ、人口5000万人の国としては「異様な訪日韓国人数」としか言いようがない。
しかし、日本政府観光局の資料によると、韓国人客1人当たりの日本国内での消費額は4万円、中国人客の4分の1以下、フランス人客の9分の1以下だ。
外国人観光客の日本での消費額は、すべて合算してもGDP(国内総生産)の1%に達しない。
「日本の旅行産業も韓国人客のおかげで儲けている」と叫ぶ韓国人もまた〝井の中〟の人だ。 (ジャーナリスト・室谷克実)
夕刊フジ
https://www.zakzak.co.jp/article/20231026-UNSGW75J2JIO3KLNMELUJ6K3WQ/