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豊昇龍 大関昇進“気魄一閃”に込めた思い 「自分が勝たなければ叔父さんの名前が下がる」 大きすぎる朝青龍の存在
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伝達式の使者を迎えた豊昇龍は頭を下げ、神妙な面持ちで口上を述べ始めた。
「謹んでお受けいたします。大関の名を汚さぬよう、気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力いたします」
師匠の立浪親方(元小結旭豊)と相談し、最終的に豊昇龍が選んだ「気魄一閃」という四文字熟語。自身の生き様を表すようで、「どんなことにも立ち向かうという言葉が、自分の中ですごくいいなって感じで」と笑みを浮かべた。
口上の出来は「満点って言うしかないじゃないですか。自分ではしっかりできているのではないかと思ってますけど。どうですかね?」とここでも笑顔。モンゴルからは両親が来日。「親が来てくれて、親に報告した時も泣いちゃいました」と泣いて笑った最高の一日となった。
ただ、「夢」と語ってた大関は現実のものとなった。「人より倍、稽古しないといけないなって気持ちが今あります。もう、今そこ(大関)まで来てるんで。うれしいですけど、ここで終わるわけじゃない。次に向けて頑張りたい」と話すときには笑顔が消えた。
叔父で元横綱朝青龍のダグワドルジさんはこの場にいなかった。叔父の存在が大きすぎて「自分が勝たなければ叔父さんの名前が下がるじゃないですか。だから、もっともっと頑張っていこうということもあったんですが、あきらめるところもちょっとあった」とくじけそうな時もあった。
だが、「ここであきらめてはいけないという気持ちでやりました。今考えるとやっていてよかった」。大関となった今も「(叔父を)超えるとか、そういうことはできないかもしれない」と正直に話すが、「ちょっとでも近づきたいですね」。いつか追いつく日がくるはずだ。
中日スポーツ
https://news.yahoo.co.jp/articles/44341e074d3a7151a5a81cce7e0f623d1482f4ae