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「ジャニーズ性加害問題」によるスポンサー離れが止まらない!テレビ業界の危機感と対応策とは?
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脱・ジャニーズに舵を切ったスポンサーも…「ジャニーズ性加害問題」 テレビ業界の対応
5月24日、NHKが初めて故・ジャニー喜多川氏の性加害問題に言及した。山名啓雄メディア総局長が定例会見で「事務所の再発防止策を慎重に見守りながら、紅白(歌合戦の出場者)を選考するにあたっても対応していきたい」と述べたのだ。
「やや厳しめのコメントでした。それも、NHKは国民が払う受信料で成り立つ公共放送だからこそ。テレビ東京の石川一郎社長が『タレントさんのみなさんに問題があるわけではないと考えますので、今後も出演していただく方針です』と発言しているように、民放は軒並み”タレントに罪はない”というスタンスです」(制作会社ディレクター)
今年3月に英BBCがジャニー喜多川氏の性加害の問題を取り上げたドキュメンタリーを放送。その後、『週刊文春』誌上や日本外国特派員協会の会見で元所属タレントが実名で被害を告白したことで、社会問題化したのは周知の通り。
「ネット上でもジャニーズ事務所への批判が相次ぎましたが、民放各社が及び腰なのは、スポンサーと広告代理店に頭が上がらないからです。『週刊文春』がジャニーズタレントを起用するスポンサー企業116社に行ったアンケートで20社が”担当者が不在”などと無回答。
回答した企業の大半も無難な回答だったのを見てもわかりますが、熱心なファンが多いジャニーズタレントは企業にとって、金を生んでくれるありがたい存在。人気のあるうちは起用し続けたい、というのが本音でしょう」(広告代理店関係者)
テレビ局が性加害報道をスルーしたい事情はほかにもある。
「番組作りの基準となっているコア視聴率(13~49歳男女の視聴率)と配信での再生回数に、ジャニーズタレントは貢献してくれるんです。彼らが出演していても、つまらなければバズりませんが、熱心なファンたちは確実に見てくれる。
SNSでも拡散してくれる。ありがたい存在ですよ。正式デビュー前のジャニーズJr.が引っ張りダコなのは、ギャラは安いのに、コア視聴率や再生回数を稼いでくれるから」(キー局プロデューサー)
それでも、「脱・ジャニーズに舵を切ったスポンサーも出始めている」と前出・広告代理店関係者は言う。
「たとえば、池田模範堂のかゆみ・虫さされ薬の『ムヒ』シリーズ。’10年から相葉雅紀(40)、’21年から平野紫耀(26)がCM出演していましたが、平野の退所にともない、中川大志(25)が起用されています。
一方、ジャニーズを辞めたことで平野を降ろすスポンサーも出てくると見られましたが、P&G『ファブリーズ』とボシュロム・ジャパンの『アクアロックス ワンデー UV シン』は起用し続けています。2社とも外資系なので、企業への貢献度を優先したのでしょう。スポンサーのジャニーズ離れが進むようなら、民放の対応も変わるはず」
芸能プロも対応を迫られている。
「性加害問題が社会問題になっている中でジャニーズタレントと共演すれば、”性加害を容認している”と取られかねない。仕事を選べる立場のタレントなら、事態が落ち着くまでジャニーズとの共演は控えたいところ」(芸能プロ幹部)
社長や幹部が自ら認めたように、ジャニーズ事務所は存亡の危機にある。