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アボカドを守れ!武装警官がアボカドを積んだトラックを護衛、その理由とは?
》》》アボカドを窃盗犯から守れ!
アボカドの生産量がもっとも多い国はどこだと思う?メキシコである。年間230万トン以上のアボカドを世界中に輸出しているそうだ。
そしてアボカドの輸入率が最も多いのは隣国のアメリカで90%以上を占める。さらに2月に開催されるスーパーボウルの時期は、アボカドの消費量が爆上がりだ。
そのため、アボカドを輸送するトラックを襲い、それらを盗んでアメリカに売りさばこうとする犯罪が後を絶たないのだそうだ。
武装した警官らはアボカドを守るため、トラックを護衛しているというわけだ。
Police Escort Truckloads of Avocados Through Mexico
今年も、全米が熱狂するスーパーボウルのシーズンがやってきた。第57回スーパーボウルは、2月12日にアリゾナ州グレンデールで開催される予定だ。
会場では、様々な食べ物・飲み物が販売されるが、特に人気なのが、チップスにつけたり、サラダに入れたりする、アボカドベースのディップ「ワカモレ」だ。
隣国メキシコから、約92%を占めるアボカドを輸入しているアメリカ。その総額は、毎年30億ドル(約3940万円)以上と言われている。
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メキシコ西部ミチョアカン州の山地に位置するサンタ・アナ・ジロストなどの村からアボカドが積み込まれたトラックは、市内の梱包および出荷工場まで 40 マイル(約64km)の距離を走らなければならない。
これが、トラック運転手たちにとっては、危険な旅となる。
出荷工場までの道のりが、一般犯罪のほか、麻薬カルテル、恐喝、誘拐といった犯罪多発地域を通過しなければならず、襲われる心配があるからだ。
そこで、州警察はアメリカのスーパーボウル用に出荷する大量のアボカドを守るため、武装警察を派遣してトラックの護衛をすることになった。
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荷台のアボカドだけでなくトラックごと盗む犯罪も
最近では、アボカドを積んだドラックごと盗まれる事件が発生しているという。
トラック運転手のヘスス・キンテロさんは、サンタアナ周辺の果樹園で前日に収穫されたアボカドの箱を集めてから、早朝に計量所に運ぶ。
その後、他のトラックと合流し、州警察のパトカーに誘導されてミチョアカン州第二の都市ウルアパンに向けて出発する。
アボカドは、アメリカでは1 個あたり 2.50 ドル(約330円)で販売されているため、40 個入りの 1 箱は 100 ドル(約13000円)の価値があり、平均的なトラックの積載量は 80,000 ~ 100,000 ドル(約1100万~1300万円)の価値に相当する。
およそ10kg のアボカドが入った数百個の箱が 10 トンのトラックに積み込まれているキンテロさんの荷物は、彼の小さな財産だ。
ウルアパンまでの道のりは、非常に危険ですが、警察の護衛が始まって以来、窃盗事件は大幅に減少したと思います。
パトカーに乗った武装警察が同行してくれることで、安全に搬送できるようになったのはありがたいことです。
ですが、犯罪者たちは多くの場合、トラックとアボカドを同時に奪って行きます。
何年か前にも、この地域で 1 日に 2、3 台のトラックが盗まれる事件が起こりました。
私たちが未舗装の道路を下っていたところ、2 人の若い男が出てきて、彼らは私たちを縛り付け、トラックを乗っ取って行ったのです。
当時は、毎日 3 、4 台のトラックが盗まれていました。(キンテロさん)
現在、州警察では1 日約 40 台のトラックを護衛し、毎日約 300 トンのアボカドが包装工場に届くようにしているという。
それにより、強盗率は約90~95%削減することができたようだ。
スーパーボウルシーズンの出荷は毎年恒例のイベント
アボカド生産者のホセ・エバリスト・バレンシアさんは、警察が慎重に警護してくれることで、手入れされたアボカドが包装工場に届くかどうか心配する必要がないことを嬉しく思うと話している。
梱包業者は、約束された出荷を満たすために地元の果樹園との取り決めに依存しています。
アボカドの紛失は、顧客の喪失を意味する可能性がありますからね。影響を受ける主な人々は生産者なのです。
警察の護衛は、私たちをおおいに助けてくれました。
アボカドがウルアパンまたは近隣の都市タンシタロに到達すると、北への道はいくぶん安全になるようだ。
スーパーボウルシーズンのアボカドの北への出荷は毎年恒例のイベントになり、今年は1月17日にミチョアカン州ウルアパンで祝われた。
同州は、生産者は日常的に麻薬カルテルによる強要にさらされ、バイアグラスとハリスコのカルテルが争っている市内犯罪で有名だ。
一部のミチョアカンの業者は、カルテルの圧力がかかったのか、認証されていない他の州からアボカドを購入し、ミチョアカン産であると偽装しようとして、アメリカの検査官に見破られたという事件も過去にあった。
一時は出荷が制限されたが、最終的に両国が検査官の「安全を確保するための措置」を制定することに合意した後、輸出が再開された。
そんななか、住民らはアボカドの出荷イベントがちょっとした気晴らしになったようだ。
ミチョアカン州知事は、「今シーズンは生産者と消費者の信頼を回復するつもりだ。輸出生産を増やすことで、アボカドを13万トンは送りたいと思っている」と述べている。
References:Route to Super Bowl dangerous for Mexico’s avocado haulers: ‘Took our truck and tied us up’/ written by Scarlet / edited by parumo