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地球の内核に異変。回転が止まり、逆回転する可能性?!
🤔地球の内核の回転が一時停止?!
地球をどんどん掘り進めていくと、地殻、マントル、外核、そして中央部には内核が存在する。現在この内核に異変が起きている可能性があると言う。
内核の回転が一時停止したのだ。今後逆回転する可能性があると指摘する新たな研究結果が報告されたのだ。
『Nature Geoscience』(2023年1月23日付)に掲載された論文によると、地球の内核は70年周期でまるでブランコのように揺れ動いている可能性があるという。
地球の地下5100km~6400kmに存在すると言われている「内核」は、少々変わった存在だ。
内核は固体なのだが、液体である外核の中に浮かんでいるのだ。だから、さらに外側にあるマントルなどの動きにあまり影響されず、独自に回転することができる。
それが重要である理由の1つは、内核と外核が地球の磁場に大きく関係していると考えられるからだ。
内核の回転は、外核で発生した磁場にうながされ、マントルの重力の効果で釣り合う。だが、具体的な回転速度など、内核がどう回転しているかはよくわかっていない。
地球の構造 / Washiucho / WIKI commons
内核が一時停止し、逆回転?
今回、北京大学の宋暁東教授らの研究チームは、過去60年分のデータをもとに、内核を通り抜ける地震波の移動時間の違いを分析している。
ほぼ同じコースで抜ける地震波の移動時間が変化しているなら、内核の回転が原因だろうと考えることができる。
それによると、1970年代初めから、内核は地球のほかの部分よりも速く回転するようになったのだという。
ところが、回転には徐々にブレーキがかかったようだ。
2009年頃になると、それまではあった移動時間の大きな変化が、ほとんどなくなっていることが判明した。これはつまり、内核の回転が止まっているだろうことを意味する。
だが、それだけではない。分析結果からは今後、内核が逆回転する可能性すら示唆されている。
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内核は70年周期で揺れている?
宋教授によると、地球の内核は70年周期で「地表に対してブランコが揺れるような位置関係で回転している」と考えられるのだそうだ。
今回の周期は1970年代前半に始まった。だとすれば、次に変化が訪れるのは2040年ごろになると予測される。
また今回の発見は、磁場の経時的な変化や地球の一日の長さの変化といった、いくつかの地球物理学的な観測結果とも一致しているのだそうだ。
References:Multidecadal variation of the Earth’s inner-core rotation | Nature Geoscience / Earth’s core may have paused and might even be reversing, says new study / written by hiroching / edited by / parumo