今、韓国は左派市民団体が「存亡」をかけて必死になっている。
実際、ここへきて、韓国野党議員でいままで左派市民団体を支えてきた議員たちの疑惑が次から次へと露呈されて、逮捕まで“秒読み開始”という人まで出てくる始末になっているのだ。
尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領も「嘘つきは許さない」と強硬姿勢を貫いている。尹政権は左派団体が繰り返してきた“歪曲的なウソ”を徹底して正すつもりであり、市民団体は戦々恐々となっている形である。
これまでは韓国では左派が発すれば、多くの国民も口出しができなかったが、それがここへきて今まで発してきた言葉の一部が“嘘”だったとばれ始めている。
実際、私は韓国の市民団体が「反日教育」の思想によって徹底的に「弱者への同情」を盾にして国民の口を塞ぐ「聖域という剣」でデモ行動を行ってきたことを何度となく目にしてきた。
「反日教育」から脱却する
日本でもデモの風景が見られるようになってきたが、韓国のそれを比べると、いかにもシンプルなものに見える。
それは逆にいえば、日本は韓国に比べて自由な教育を受けて、個々の価値観が明確に社会へ反映されていることを示すものだと思う。
そんな日本と違って、韓国では最近までは「反日教育」が価値観として大手を振るってきたが、ここへきてそこから脱却しようと韓国社会全体がもがき始めているように見える。
また、日本では「草食系」という名称が使われているが、韓国でも若者の感情が「草食系」になりつつあるように見える。
言葉通り、草食系の動物のように物静かということだが、「何が物静かなのか?」といえば物事への感情の出し方なのだ。
「いままでの韓国は何だったのか」と…
私も韓国に住んでいて、何度も感情論になって発展的な会話ができないことを経験してきた。
しかし、最近の20代~30代の若者たちは少し違っている。
その背景事情としては、若者たちがいままでの韓国政府の嘘に気づき始めたことが大きい。さらに、韓国でこれまで声が大きかった左派市民団体の主張がじつは“おカネ儲け目的だったこと”に気づいてしまった。
そこへきて、日本旅行への流行が重なって、これまで信じてきた「反日教育」の土台が崩れ始めたことで、いままで感情で押し切っていた口を閉ざし始めているのだ。
左派政権に利権を求めて出資をしてきた40代~50代と違って、まだそれほど経済的余裕のない20代~30代は「いままでの韓国がなんだったのか」と悩み始めてもいる。
不動産にしても到底一般庶民が買える物でなくなり、いまは40代~50代以上の投資対象物の一つになってるに過ぎない。
韓国は「住みにくい」
そんな住みにくいと国と感じる20代~30代は、日本など外に目を向け始めている。
そして、そこで見聞きしたものから、自分たちが習ってきた「価値観」にも疑問を感じ始めている。
結果として、いまの韓国の若者には「感情論」で押し切られるような対話スタイルがどんどんなくなりつつあるのだ。だからといって、一切なくなったわけではなく、以前に比べてという意味で。