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【中央日報】台湾海峡に火がつけば韓半島は無事か
◇米国は台湾の独立を望んでいるか
米国は過去に中国の改革開放を物心両面から支援していたが今は圧迫の対象とみている。米国は修交当時、台湾問題を平和的に解決すると話していた中国の約束をこれ以上信じていない。したがって武器販売とともにこれまで自制していた台湾との公式交流を拡大する一方、台湾の国際舞台進出を支援している。ケビン・マッカーシー共和党院内代表が新任下院議長に就けば親台湾の動きはさらに加速するだろう。
しかし米国の台湾政策には限界がある。バイデン大統領は習近平主席とのバリ首脳会談で、台湾海峡の平和を脅かすなと警告しながらも「一つの中国」政策の不変を約束した。これは中国の強圧的統一の試みと台湾の独立のどちらも反対しているということだ。中国の武力攻撃を制圧する米国の能力にも限界がある。軍事力の絶対的優位が担保されなければうかうか台湾独立支援戦争を敢行することができない。結局、米国が望む台湾は独立主権国ではない。インド太平洋覇権を手中に収めようとしている中国を制御するために「不可侵空母」台湾を利用しているだけだ。
◇習近平は「一国二制度」に執着するか
第20回党大会報告で習近平は「台湾問題は中国人のことであり、必ず中国人によって決定されなければならない」と力説した。平和統一に最善を尽くすものの、武力使用を絶対に放棄しないと強調した。しかし習近平の警告が直ちに戦争につながるかというと、そう単純なことではない。軍事力は米国よりも不足しており、最近では欧州連合が米国に傾いている。
このような状況で習近平の選択肢は非常に制限的だ。1つ目、台湾離脱の兆しと外勢介入に対する警告性武力示威を持続するだろう。2つ目、全面的に断絶するのが難しい両岸経済協力と人的交流を考慮して台湾住民に対する誘引策を拡大するだろう。3つ目、台湾問題の解決法として「一国両制」を今後も維持するだろう。香港事態で大きな傷を負ったが「高度な自治」で扮装した一国二制度の看板を下ろすことはないだろう。
◇統一と独立、時間は誰の見方か
台湾の蔡英文総統は生粋の台湾独立主義者だ。米中が台湾の未来を左右する現実に憤怒する。同時に彼女は冷徹な現実主義者だ。独立に対する感性的アプローチや無謀な試みは避けようとする。最近台湾は米国との価値同盟、国際社会の反中感情拡散を契機に中国の共産独裁と対象的な台湾の自由民主を浮き彫りにしている。
しかし両岸関係の安定的管理も蔡総統の核心課題だ。新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)の渦中にも両岸交易は大きく膨らみ、結婚・就職などで両岸交流は台湾住民の実生活に深々と入り込んだ。両岸関係を単純に統一・独立の問題として片付けることができない現実的理由だ。大多数の台湾人にとって、両岸関係は体制・理念の問題ではなく、食べて生きていくための生存の問題だ。これを無視すれば失敗は予定されたものとなる。
このように米中覇権競争の最前線である台湾海峡には戦争と平和の要因が並存する。台湾は毛沢東時代に回帰するような習近平の中国が嫌いだが、交流中断は想像し難い。これまでの民間交流がとても深く広いためだ。結局、現状況で統一と独立はどちらも不可能だ。時間は統一と独立の誰の味方でもない。時間を味方にするための激しい戦いが続くだけだ。
中央日報日本語版2022.12.14 10:05
https://japanese.joins.com/JArticle/298790