阪神　ドラフト1位　森下翔太「そこまでプレッシャー感じていなくて」鳥谷氏「１」にも堂々　強気の裏に自信

　虎の1番は森下だ！阪神ドラフト1位の中大・森下翔太外野手（22）が12日、大阪市内のホテルで新入団選手発表会に臨み、レジェンドOB鳥谷敬氏（41＝日刊スポーツ評論家）の背番号1を受け継いだ。4年ぶりの後継者はまさかのスター番号にも動じず「そこまでプレッシャーは感じていない」と堂々。将来的な3冠王どころか、エンゼルス大谷ばりの世界的スラッガーへの成長までイメージ。ビッグマウスの数々に確固たる自信をにじませた。

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　あの鳥谷敬の背番号1を託される。誰もが重圧を想像する中、ドラフト1位森下は平然と言い切った。

　「そこまでプレッシャーは感じていなくて。ファンの方とかは鳥谷さんの後なので期待だったり思うところはあると思うけど、自分は自分らしくやりたい」

　先人はテレビ画面越しのスターだった。小学6年生だった13年3月のWBC台湾戦。1点を追う9回2死一塁、鳥谷氏が決めた起死回生の盗塁は今も記憶に新しい。「あの場面で走れる選手はなかなかいない。素直にすごい」。虎の1番を16年間背負った大先輩は尊敬してやまないレジェンド。だからといって、足をすくませている暇はない。

　岡田監督の期待値は当然、高い。「甲子園は鳥谷のユニホームを着ているファンが多い。これからは森下のユニホームをいち早く着てもらえようにやってもらえたら」。熱のこもった指揮官の言葉に、ルーキーも「森下のユニホームに変えたい」と力強く呼応した。

　目標はタイガースの枠に収まらない。鳥谷氏はプロ1年目から101試合に出場。「鳥谷さんが100試合出られたなら、そこ以上に出られたらいい」。ルーキーイヤーの新人王奪取はもちろん、将来的な海外進出さえもイメージする。

　「村上選手は最年少で取ったけど、自分も負けじと3冠王を取っていきたい」

　「エンゼルス大谷翔平さんのように世界に通用するプレーヤーになりたい」

　もちろん、強気発言の裏には努力で固めた確固たる自信が存在する。

　大学生活では1日5食。パワー増強のため、食事にも力を入れた。朝食に白飯は必須。優先的に野菜を摂取し、睡眠の質、ウエートトレにもこだわった。この4年間で体重は8キロ増加。広角への飛距離は学生離れしており、1年目から右の即戦力として右翼レギュラー有力候補と目される。

　22年も残りわずか。森下は今年の漢字をスタートラインという意味合いで「一」と表現した。

　「（伝統を）引き継ぎながら自分のプレーを発揮して、1番という数字が自分の番号になれば一番いい」

　ドラフト1位指名で背番号も1。1番で埋め尽くされた1年から、スター番号に恥じない未来を切り開いていく。【三宅ひとみ】

　○…岡田監督は森下が背番号「1」のイメージを鳥谷氏から変えることに「それには時間かかんで。急にな、そんなんでけへんけど、積み重ねやな」と期待した。「ちょこっと出るぐらいでは、なかなか追い越されへんわな」。レギュラーポジションをつかみ、毎日のように何年も試合に出続けないと変わらないと、力説した。これまでに中堅近本、左翼は外国人の起用を明らかにしているが、右翼は空いている。「そら候補の1人よね。すごい楽しみよ」。森下も前川、井上、板山らと争う有力候補だ。

　さらに指揮官は虎の背番号1のイメージに「昔で言うと吉田義男さんやろ。（阪神で）監督で1番つけたのはヨッさんだけやろ」と、75年から3年間つけていた吉田監督の名前を挙げてニンマリだ。4年ぶりに背番号1が復活することに、嶌村球団本部長は「いつまでも寝かしておくこともない」と説明。森下への期待の大きさの表れだ。

　◆12球団の背番号1　今季は山田（ヤ）桑原（D）京田（中）福田（オ）風間（ソ）栗山（西）松井裕（楽）藤原（ロ）新庄監督（日）が着用。巨人は永久欠番としており、阪神は19年鳥谷、広島は21年鈴木誠を最後に着用者がいない。