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金本知憲氏の打撃に通じる阪神・前川の姿勢「考える野球を」と言った高卒ルーキー
現役通算2539安打、476本塁打、さらにフルイニング出場の世界記録など、金本知憲氏は輝かしい実績を残した。鍛え抜かれた肉体から繰り出される抜群のスイングスピード、甲子園の浜風を切り裂く力強い打球。他球団の担当を務めていた若手時代から「これだけスイングスピードがあったら、来た球にシンプルに対応できるんだろうな。すごいな」と記者席から見ていた。だがその認識は180度違った。
阪神の監督就任後、打撃について話を聞いた際「俺には技術がないから、しっかり配球を読んで、キャッチャーのクセとか傾向を完璧に把握して、狙った球を確実に打とうというスタイルだった」。その答えに驚き「来た球に対応するんじゃなくですか?」と聞き返すと「ムリムリ。そんなバッターじゃないよ」と謙そん気味に教えてもらったのを覚えている。
2019年に新井氏(現広島監督)と対談してもらった際は「追い込まれてからは、とにかく粘っていれば四球を取れるかもしれないとかね。若いときは追い込まれてからヒットを打とうなんて思ってもいない。とにかく粘って粘って。打つことなんか考えなかったもん。それで技術がついてくると打て始めたんだけどね」と語り、打席での決め事について「きょうはこの(右)ピッチャーはシュート系が多いから逆方向に打つとかね。このケースは絶対に右方向とか。絶対に何かは打席入る前に決めとったよね。打つ方向か、球種か、コースかな」と明かしていた。
技術、肉体、精神だけでなく、考えることも成績を残す要因だったと回顧していた金本氏。それだけに14日に行われた阪神の契約更改後、高卒1年目の前川が発した言葉に思わず心を引かれた。
「ただ野球をするだけではなくて、頭も使いながら野球をしていかなければならない」
今キャンプでは技術面、肉体面のレベルアップだけでなく、坂本や梅野など1軍の捕手陣に配球論や捕手心理を聞いていたという。長く野球記者をやってきたが高卒1年目で「考える野球」と言った選手に出会ったことはないし、捕手に配球論を聞いたというケースも耳にしたことがない。プロに入ってくる選手はアマ時代に飛び抜けた才能を発揮していたプレーヤーばかり。それがプロの壁にぶち当たり、失敗しながら、経験を重ねながら、考えるということに行き着くのがよくあるケースとも言える。
前川と言えばどっしりとした下半身から繰り出される強いスイングが魅力。ファーム日本選手権やフェニックスリーグでしっかりと直球に対応し、変化球にも土台の強さを生かして拾い上げていたのが印象に残る。
そんな肉体的、技術的な要因に1年目から「考える力」を持つことで、どういう成長曲線を描いていくか-。非常に興味深い選手が出てきたなという印象を抱かせてくれた。(デイリースポーツ・重松健三)
https://news.yahoo.co.jp/articles/1e1fc53c545b912fa8594a127c2093f2267ff64d
金本知憲氏の打撃に通じる阪神・前川の姿勢「考える野球を」と言った高卒ルーキー(デイリースポーツ) https://news.yahoo.co.jp/articles/1e1fc53c545b912fa8594a127c2093f2267ff64d …背番号6の後継者は前川しかいない。来季は結果を出して背番号6を金本氏から継承出来るように頑張って欲しい。#金本知憲 #前川右京 #阪神タイガース