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広島新監督は新井貴浩氏!! 人間性、野球観、人望など評価 4年連続Bクラスからの巻き返し託した
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広島の来季監督に、OBでスポニチ本紙評論家の新井貴浩氏(45)が就任することが6日、分かった。球団からの就任要請をこの日までに受諾した。近く正式発表される。3季連続V逸の責任を取って今季限りで辞任した佐々岡真司監督(55)の後任。チームは4年連続Bクラスに沈んでおり、リーグ3連覇の立役者で実績、人望、人脈、人気を併せ持つ同氏に再建を託す。
4年連続でBクラスが続く広島は、全国的に知名度が高く待望論のあるフレッシュな人材を登用し、巻き返しを図ることになった。3年間指揮を執った佐々岡監督が成績不振から今季限りで辞任。球団は、OBで本紙評論家の新井氏に監督就任を要請し、この日までに内諾を得た。
新井氏は98年ドラフト6位で広島に入団。05年に本塁打王、阪神在籍時の11年に打点王を獲得するなど、現役生活20年間で通算2203安打、319本塁打、1303打点をマークした。申し分ない実績。とりわけ輝きを放つのは、出場機会を求めて古巣復帰した15年からの4年間だ。
「どんな時も一生懸命にやる。若い時も年を取っても。常に自戒し、自分の心を磨くことを心掛けてきた」
そう胸に誓い、キャンプから若手と一緒に泥にまみれた。16年には史上47人目の2000安打を達成し、MVPを受賞する活躍で25年ぶりのリーグ制覇に貢献。18年に引退するまで勝負強い打撃や精神的支柱として3連覇を支えた。その姿勢を知るナインの人望はいまだに厚く、会沢や菊池涼、大瀬良ら主力の多くが新井氏を慕う。
東日本大震災が起きた阪神在籍時の11年には、労組プロ野球選手会会長として開幕延期を要望し、問題解決に奔走。本質を見抜く目とコミュニケーション能力を磨いた。他方、08年北京五輪の日本代表など国際大会の経験も豊富で、気脈を通じる野球人は数多い。
19年からは本紙評論家として活躍。チーム事情に精通し、打撃理論はもちろん、選手個々の特徴や性格を踏まえた鋭い視点に定評がある。会話はユーモアとウイットにあふれ、お茶の間の好感度も抜群。指導者経験はなくても、球団は新井氏の人間性や野球観、人望などを高く評価する。
4年連続Bクラスの広島は過渡期にあり、投打両面で課題が少なくない。チーム打率・257はリーグ1位でも一発長打に欠け、チーム盗塁数26はリーグ最少で球団ワースト。先発投手陣は終盤に息切れが目立ち、絶対的守護神・栗林につなぐセットアッパーも定着に至っていない。
リーグ3連覇時の輝きを取り戻すには、投打で戦力の底上げが不可欠。再建し、巻き返しへ。新井新監督の手腕に期待がかかる。
(江尾 卓也)
◇新井 貴浩(あらい・たかひろ)1977年(昭52)1月30日生まれ、広島県出身の45歳。広島工、駒大を経て98年ドラフト6位で広島入団。08年にFAで阪神移籍。15年から広島に復帰。リーグ3連覇を果たした18年限りで引退した。05年本塁打王、11年打点王。16年セ・リーグMVP。08年12月から12年12月まで労組日本プロ野球選手会の第7代会長を務めた。引退後は19年からスポニチ評論家。右投げ右打ち。