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日本サッカー協会・田嶋会長が日本代表戦の無料放送維持を国に要請へ「お金の問題だけで動かれるのは残念」
カタールW杯アジア最終予選では、スポーツ動画配信大手「DAZN」が放映権を獲得してアウェー戦は独占配信になった。
そのため、7大会連続のW杯出場を決めたオーストラリア戦が地上波で中継されなかったことが大きな話題となった。
28日に取材に応じた田嶋会長は「DAZNさんについては放送してくれて本当に感謝している」とした上で、改めて無料放送の重要性を強調。
「これはユニバーサルアクセス。やっぱり誰もが見られる環境にしていかなければならないとすごく感じた。Jリーグ、クラブとはまた話が違う。
何度も言うが、私たちはDAZNからのお金が一切入っていない。それはAFC(アジアサッカー連盟)。だから、僕らはなおさら言いやすいと思っている」と力説した。
若者を中心に動画配信が浸透しているとの指摘もあるが「将来的に進んでいくとは思っている。ただ、現在はまだその段階ではない。ただ市場価値だけでそれぞれの団体が動くのは考えるときに来ている。
今回僕らのところに、たくさん(オーストラリア戦を)見たいという投書が来た。僕らが一番残念なのは、子どもたちが見られない。若い人たちはテレビを見なくてもいいが、
子どもたちがパッとテレビをつけて三笘選手見たい、長友選手見たいといっても見られない。それはちょっと、お金の問題だけで動かれるのは残念でしかたがない」と代表戦の〝公共性〟を訴えた。
今後は、代表戦の無料放送を維持するために政府に働きかけを行う方針。他のスポーツも含めて「国も動いて頂かないといけないと思うし、そのことは今後も続けていきたい。
たとえば英国だったら、プレミアリーグは見られなくていいがユニバーサルアクセス権でFAカップの決勝は必ず地上波でやらなければいけないという法律がある。
日本では法律がないから、お金が高いほうにだけいきましょうとなる。今後、国がたとえばそういうことを法律で決めるということになればやりやすくなる。
法律がないから値段のところだけになっていく。すでにこういう状況が予測できていたので、いろんな方に相談している。参院選の前からやってきている」と政界に法整備を求めていると明かした。
日本代表戦の中継を巡って今後は難しいかじ取りが迫られそうだ。