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「終わるまでは言えなかった」小平奈緒、五輪目前の右足首ねんざを明かす
女子1000メートルで小平奈緒(相沢病院)は1分15秒65で10位だった。
レース後取材に応じた小平は、約1か月前の1月15日に右足首の捻挫を負っていたことを明かした。「終わるまでは言えなかったのですが」と切り出し、「大雪が降った日。歩いて練習に向かう時に滑ってしまった。(負傷後は)1週間氷から離れ、その後の1週間、靴を履いたけど、全く滑れないという状況で北京に入りました。1月の後半からその2週間は、絶望的な日々を過ごしました」と言葉を振り絞った。
北京入り後はレースでスタートする際に「右足で全く踏ん張ることができなかった」。レース前のトライアルで「そこそこ滑れたので、そのまま行けるかなと思ったけど、なかなかそう簡単に体がついてこなかった。一瞬、希望も見えたが、そんなに簡単にはいかなかった」と涙ながら、自身4度目の五輪を振り返った。
13日の500メートルはスタートがうまくいかず、38秒09の17位に沈んだ。1000メートルは痛みを抱えながらも強い覚悟で臨み、最後まで全力で戦い抜いた。「ちょっと不格好な作品にはなってしまったんですけど、自分なりの、乗り越える、まさに今を乗り越える滑りができたと思いました」と納得はしている。レース後は両手をたたいて自身をたたえ「悲しい姿を見せることは、同じように悲しくなる人がいると思う。ここまで挑戦したことを自分自身も納得したいし、周りにも同じような気持ちで五輪を締めくくってほしいという思いで胸元で拍手しました」と語った。
日本勢の高木美帆が1000メートルで金メダルに輝いた。「この瞬間に自分が乗り越えている姿を見ていただくことが、五輪に参加している意義だと思った。(涙は)ちょっと痛みとやるせなさが目から出てしまったような形。皆さんに応援していただいて、たくさん期待もいただいていたけど…。高木選手が金メダルを取ってくださったので、良い記事は書いていただけるのかなと思います」。涙を浮かべながらも、最後まで気遣いの心を忘れなかった。
報知新聞社
https://news.yahoo.co.jp/articles/36c69a1ea1bd1f6454709dcdf7c2a33bd638f1f0