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アニメ『平家物語』は「宝」と呼びたいほどの“大傑作”、なぜこれほど胸に迫るのか?
(出典:現代ビジネス) |
『平家物語』(へいけものがたり)は、鎌倉時代の軍記物語である『平家物語』を描いたテレビアニメ。作家の古川日出男が現代語訳した『平家物語』を底本としている。制作はサイエンスSARU。2021年9月15日よりFODで先行配信され、2022年1月からフジテレビの深夜アニメ枠『+Ultra』ほかでテレビ放送中。
21キロバイト (2,088 語) – 2022年2月7日 (月) 12:45
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アニメ『平家物語』は「宝」と呼びたいほどの“大傑作”、なぜこれほど胸に迫るのか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/86c363106af04220f5fc24c3e0bd1d365dda72e3
TVアニメ「平家物語」公式サイトより
※本記事は「平家物語」、アニメ『平家物語』のストーリー展開に触れています。
胸に響く「滅びの歌」
アニメ『平家物語』が深夜の地上波で放送されている。
胸に刺ささる作品である。
主人公は、男のなりをした琵琶を弾く少女「びわ」。
ゆえあって平重盛の館に住むことになり、その子息の平維盛、資盛、清経らと兄弟のように育つ。
平家の栄華から没落をその内側から見続ける「他者」のポジションにいる。
ぼんやり見ているぶんには「平家のことを語り伝えるためだけにその中枢にいる妖精」のようである。
「平家物語」の語り手の化身とも言える。
その透き通った声が、見ている者の心を掴んでを離さない。
その透徹さは、時を越えていく。
800年を越えて語り継がれている『平家物語』は滅びの歌である。
平忠盛の出世から始まり、栄華を極めるさまから、一族もろともに滅んでしまう姿が活写される。
「やがてこの人たちは地上から消え去る人たちである」と知って、私たちはこの物語を聞いている。
淡々と、切々と、一族の興亡を描く。
悲しみを漂わせて語ってはいるが、「悲哀」そのものを描いているわけではない。
人を描いているだけである。
人は、世に生まれ、育ち、壮んになり、やがて消え去る。
そういう人の姿のなかでも「劇的で壮大なもの」を取り上げて語っているばかりだ。
すべての人にとって他人事ではない。
だから800年も語り継がれている。
アニメ『平家物語』は、その物語の真髄を映像にして、見事である。