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【北朝鮮】金正恩氏「防疫を第1に」 新年から引きこもり顕著に
朝鮮労働党中央委員会総会に臨む金正恩党総書記=2021年12月28日(朝鮮中央通信=共同)
【ソウル=桜井紀雄】北朝鮮国営メディアは1日、朝鮮労働党中央委員会総会が昨年12月31日に5日間の日程を終えて閉幕したと伝えた。金正恩(キム・ジョンウン)総書記は総会中、農業の改善など、経済や住民の〝食の問題〟解決への取り組みについて重点的に言及し、対米や対韓国関係を含む具体的な外交方針は報じられなかった。
金氏は特に、新型コロナウイルス対応について「非常防疫を国家事業の第1位に置き、ささいな気の緩みもなく強力に展開していくべき最重大事だ」と強調。中国やロシアとの国境封鎖の継続を示唆した。
金氏は「多事多変の国際政治情勢と周辺環境に対処して北南(南北)関係と対外事業部門で堅持すべき原則と戦術の方向性」を示したとも伝えられたが、具体的内容の言及はなかった。
国際社会による制裁や新型コロナ禍で経済難が続く中、まずは内政に注力しつつ、バイデン米政権などの出方を探る姿勢がにじむ。2018年の外交攻勢から一転、20年の新型コロナ禍の拡大から続いた北朝鮮の〝引きこもり〟傾向が新年から鮮明になった。
昨年、新型ミサイルの発射を繰り返すなどした兵器開発について、金氏は21年の「成果で極めて重要な地位を占める」と評価。「日々不安定化している朝鮮半島の軍事的環境と国際情勢の流れは、国家防衛力強化を一層力強く推し進めることを求めている」と述べ、新兵器開発を継続させる方針を誇示した。
産経新聞 2022/1/1 10:13
https://www.sankei.com/article/20220101-I5PHLENFCJN4ZBOMFGHPIR73BI/