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日本のアニメ・特撮がアジアへの「二次植民」を助長する―香港メディア
文章は、世界で大きな影響力を持つ日本のアニメ・特撮文化に高市早苗首相のいわゆる台湾有事に関する国会答弁の問題と終戦80年と絡めた上で「危険なもの」と見なしている。
まず、7月に台北で行われた漫画博覧会や、夏休みに香港で行われたアニメ・ゲーム祭りにおいて、若者が熱狂していたのは旧日本軍の象徴である「大和号」や「零式艦上戦闘機」を「メカ化」「萌(も)え化」し、侵略者の面影を剥ぎ取った「救世主」としての日本アニメの図像だったとし、「これは単なる商業的成功ではなく、恐ろしい文化的な置き換えである」と主張した。
そして、昭和時代の特撮映像作品について「力は修行ではなく、変身器やコックピットといった外部の技術から得られる」という共通の「洗脳公式」を持ち、「科学技術=正義」という神話を確立させることでアジアの子どもたちに日本の技術や組織への依存構造を自発的に受け入れさせているとの持論を展開した。
また、日本の歴史的記憶を巧妙に書き換えた象徴として、1974年に発表されたアニメ「宇宙戦艦ヤマト」に言及。敗戦の象徴である沈没した「大和号」が宇宙戦艦として復活し、人類の「守護者」として飛び立つというストーリーは、日本が「侵略者」から「外敵に脅かされた被害者」へとイメージを転換し、歴史の道徳的負担を免れた「清潔な戦争」の美学を提示していると主張した。
さらに、アニメや知的財産(IP)キャラクターに見られる「かわいい」の美学についても、「無害」という免罪符となり、歴史への批判を停止させる役割を持っているとし、同じアジアの若者が政治的には反日感情を持ちながら、文化的・精神的には日本のポップカルチャーに熱狂するという認知的不協和を生み出すと論じている。
文章は、日本の漫画やアニメの芸術的価値事態を否定するのではないと断った上で、特定の世代における「英雄」や「未来」の想像力が日本という単一の文化工業(日本)によってほぼ完全に独占され、批判能力が形成される前の幼少期に絶対的な影響を与えることが「想像力の貧困」を助長する問題になっていると強調した。
その上で、戦後80年を迎える現在取り組むべき真のチャレンジとして、当然のことと見なしている「子どもの幻想」が、実は巧妙に構築された歴史的産物であると意識することを挙げ、「巨大な装甲」や「変身」に依存しないヒーロー像づくりに取り組むべきだと締めくくっている。(編集・翻訳/川尻)





