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【アホパヨク】意固地になって台湾有事発言を撤回できない高市首相 この先にある「総選挙」からの「徴兵制」という悲劇
まず、思いつくのは、自分の間違いがどれくらい大きなものかを理解できなかった可能性だ。今でも、論理的な話としては、その重大性がわかっていないのではないか。中国が態度を非常に硬化させているのを見て、さらに国内のまともな論客が大問題だと指摘しているのを見て、論理的な理由は理解できないが、なんだか結構大変なことなのかなと思っているという程度なのかもしれない。そう思うと、中国側の過剰反応だから、しばらく放っておけばそのうち沈静化するだろうというような対応になる。
もう一つの理由は、高市首相が、非常に意固地だと思われることだ。以前、高市氏が総務相の時に行われた放送法の解釈に関する大臣レクの議事録が暴露された際、そんなレクを受けたことはない、文書は捏造だとまで言ったことがある。しかし、総務省が文書は捏造ではないと公式に答弁して追い詰められると、いろいろと言葉を変えながら言い訳を続け、最後まで自分の嘘(あるいは思い違い)を認めなかった。その時に高市氏が間違いを認められない人間だという評価が定着した。
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■米中首脳会談で議題にならなかった台湾問題
こうなると、誰も高市首相を止められなくなるのではないかと心配になってくる。
しかし、最近、状況が明らかに変わってきた。高市首相にとって極めて都合の悪いことが起きているのだ。
それは、トランプ米大統領の態度がはっきりと変わってしまったことだ。
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■トランプ大統領は高市首相を諌めた?
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■梯子を外された高市首相
高市氏は、台湾有事に米国が介入すると勝手に決めつけ、日本も一緒に軍事介入するぞと叫んだのだが、肝心のトランプ氏にその気は全くないどころか、高市首相の失言をうまく取引に利用している可能性が高いのだ。
(略)
■中国の脅威を強調し「徴兵制」復活か
隊員補充のために自衛隊はあの手この手で募集をかけているが、人手不足で民間との競争は以前より厳しさを増している。最初は、隊員の処遇改善や退役後の生活保障、さらに各種の特典を「思い切り」拡大して、自由意思での入隊を増やそうとするだろうが、それにも限界がある。
その場合、真面目に戦争する体制を整えようとすれば、当然徴兵制が視野に入る。高市氏が、いつそれを国民に提示するのか。
憲法改正が必要だ(意思に反して無理やり戦争に駆り出すのは苦役の禁止を定める憲法18条に反する)というのが通説で、政府の見解でもあるが、国家を守る仕事は崇高なもので、これは苦役には当たらないとか西欧の民主主義国家でも徴兵制が認められているのは苦役に当たらないからだなどという議論を出して、集団的自衛権の時と同じように「解釈改憲」による徴兵制の法律制定を目指すのではないか。
その時、自分自身、あるいは、パートナー、子供、孫、兄弟姉妹、親戚、友人などの命を国家に捧げる義務を課すという制度に国民が何と言うのか。
欧州では、ロシアの脅威を強調し、徴兵制を再導入あるいは強化する動きがドイツ、デンマーク、フランスなどで広がっている。国民の間にこれを受け入れる雰囲気が出てきたのだ。中国の脅威を強調し徴兵制に向かう日本、という事態になっても決して驚く話ではない。
その時、日本の国民がこれに本気で抵抗できるのか。集団的自衛権の時は、ものすごい反対運動が起きた。しかし、それが法制化されて5年が経っただけで、台湾に集団的自衛権の行使で自衛隊が出ていく、すなわち、日本が攻撃されていないのに、台湾のために日本人が血を流すという、高市首相の発言を国民が支持する事態にまでなっている。
その延長線で、徴兵制も「日本を守るためには当然だ!」と声高に叫ばれることになれば、異論が封殺され、「徴兵制賛成」という声が多数になる可能性も十分にある。
高市政権が続くことのリスクを過小評価すべきではない。
AERA 2025/12/02/ 06:00
https://dot.asahi.com/articles/-/270705






