【G7首脳会議】石破首相、中国念頭にくぎ刺す　停戦協議で「誤った教訓」生じないよう警戒

「米国をはじめさまざまな外交努力が実り、状況が打開されることを期待する」。首相は同会議でトランプ米大統領が進めるロシアとウクライナの停戦協議への期待感を示した。その一方で、こうも続けた。

「平和の実現には誤った教訓が導き出される状況が生み出されないようG7各国と連携して取り組む」

トランプ氏は停戦協議の仲介に意欲を示す一方、領土割譲の可能性を示唆したこともある。ウクライナ側も領土の割譲を迫られることを警戒。米国とウクライナや欧州各国との不協和音にもつながっている。

停戦が成立した場合でも、内容によっては日本周辺の安全保障に大きな影響を及ぼしかねない。ロシアへの領土割譲が停戦の条件となれば、中国による東・南中国海や台湾海峡での現状変更も容認するかのような誤解を与えかねない。首相はG7首脳テレビ会議に先立って開かれたウクライナ政府主催の「ウクライナ支援に関する首脳会合」にも出席し、力による一方的な現状変更の試みは「世界のどこであれ許されない」と強調した。

首相はG7の結束も繰り返し強調した。米国と欧州の足並みの乱れが表面化しつつある中で、日本が担う役割は大きい。林芳正官房長官は25日の記者会見で「率直な議論を行い、結束を確認できた」と成果を強調。政府関係者は「日本が主導できることは限定的だが、米国と欧州の間でバランスを取りながら結束を固めることが重要だ」と述べた。

2025/2/25 20:56
https://www.sankei.com/article/20250225-4G25XJDO75MRBKLUY3543H27CM/