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会見の冒頭、半沢頭取は元行員が窃盗に及んだ経緯を説明。貸金庫を開けるには、支店が保管する「銀行鍵」と顧客が持つ「顧客鍵」の2本が必要だが、元行員は、顧客鍵のスペアとして支店で保管していた「予備鍵」と銀行鍵の両方を使って貸金庫を解錠し、金品を盗んでいた。
予備鍵は、顧客が顧客鍵を紛失した時に使うもので、専用の封筒に入れられ、支店のキャビネットで施錠のうえ保管されていた。封筒は、封を開けたらわかるよう、銀行側と顧客のそれぞれの割り印が押されていた。
元行員は練馬支店や玉川支店で貸金庫業務の責任者。自分のIDカードで貸金庫室に出入りできたうえ、予備鍵を取り出すこともできた。入室記録や防犯カメラ映像などが残されていたが、同僚らは元行員の不正に気づけなかったという。会見で向井理人執行役員は「貸金庫の手続きを熟知しており、仕組みをすり抜けた部分があった」と話した。
また、予備鍵の保管状況は半年に1度、子会社が確認する運用になっていたが、そのチェックは鍵の個数が合っているか、保管状態に異常がないかなどにとどまっていた。元行員は同行の調査に「大変申し訳ないことをした」と話しているという。
顧客の資産を預かる銀行員の不正に厳しい声が相次いで聞かれた。
別の銀行の貸金庫を利用しているという東京都品川区の会社員男性(58)は「預ける側は中身を見られることすらないと思っていて、まさか銀行員から盗まれるなんて想像もしていない。あってはならないことだ」と憤った。
川崎市高津区の会社員男性(42)は「最近は家にいても強盗、銀行に預けても窃盗……。これではどうしたらいいのか」と戸惑った様子で話した。
大手銀行での勤務経験があるファイナンシャルプランナーの川又啓二さん(46)は「銀行は行員の不正を防ぐため、同じ人物を長期間同じポジションにおかないなどの対策をとっているが形骸化してしまっていた。利用者が定期的に金庫の中を確認し、時系列で記録を取っておくなどの対策を取る必要がある」と話す。
読売新聞2024/12/16 21:54
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20241216-OYT1T50172/
★1 2024/12/17(火) 00:23:06.00
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