「政府がメディアを操作している」と信じてしまう人の正体…野党支持者が「陰謀論」を信じやすい理由

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「政府がメディアを操作している」と信じてしまう人の正体…野党支持者が「陰謀論」を信じやすい理由

1: 七波羅探題 ★ 2024/12/06(金) 15:51:52.53 ID:bsTaUDJx9
https://news.yahoo.co.jp/articles/dfc140018121c607a9ab23ffadf85f1c1eb502ff

■支持率の低い首相はわざと危機を煽るのか
近年、北朝鮮をはじめとした一部の近隣諸国による軍事的威嚇・挑発が増加している。実際に、2023年4月から24年9月までの1年半ほどの間だけでも、有事において発信される全国瞬時警報システム(Jアラート)は5度も発令されている。幸いにも、具体的被害は出ていない。しかし、だからこそ、とりわけソーシャルメディア上では「政府は、自分に都合の悪いことから国民の目をそらすために、わざと危機を煽っているだけなのではないか?」という意見も散見される。

もちろん、こうした意見がすべて「陰謀論」というわけではないが、真偽の検証が難しいという点では陰謀論的な要素が含まれた言説だとも言えよう。

このように、事態の重みにかかわらず、陰謀論の蔓延が国内外で問題となっていることを踏まえて、政治学や社会心理学などの分野でも陰謀論をめぐる研究が急速に増加している。また陰謀論研究の動向において、とりわけアメリカにおける党派性と陰謀論に着目する一連の研究は、比較的安定した知見を見出しているように思われる。

たとえばアメリカの共和党支持者の間では、陰謀論(的な言説)を堂々と社会的に表明できるレベルにまで浸透していることが明らかになっている(e.g. Graham and Yair, 2024; Hata and Ogura, 2024)。日本でも、与党・野党支持者にかかわらず、支持政党に有利な言説であれば、陰謀論(的)であっても信じる傾向にあることが指摘されている(秦、2022)。

このように特定の政党を支持する人は、自身の支持政党を悪く言う言説には反対するし、逆に支持政党にポジティブな情報であれば(その真偽を横において)受容しやすくなるという傾向は、比較的共通して見られる現象のようにも思われる。とはいえ、「陰謀論の信じられ方」は、国や時期などによって多様であり、陰謀論受容に関する「通説」と言えるようなメカニズムや、陰謀論に対処する特効薬はいまだ明らかではなく、発展途上である。そこで今回は、筆者を含む研究グループが20年に実施したオンライン世論調査>>1(実験)のデータを用いて、日本人を対象とした「党派性と陰謀論受容の関係」について考察してみたい。
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(中略)
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主にリベラル野党支持者は「首相は恣意的なメディア操作をしている」と考えやすい傾向にある。また、民主党にとって「不利」になると操作した情報に対しては、操作しない場合に比べて、リベラル野党支持者は「そう思わない」と考えがちとなる。これはまさに事前に予測した通りの結果である。

一方で自民党支持者においては、ライバル政党である(立憲)民主党を糾弾できるような情報だからといって、必ずしもそれを強く信じるようになるといった傾向は見られなかった。

これらの知見は、党派性と陰謀論受容には一定の関係が見られるものの、(少なくとも日本においては)自民党支持者と野党支持者で同じような陰謀論受容のメカニズムが働いているわけではないことも示唆している。

巷間ではトランプ現象などが目立つこともあり、陰謀論と保守の親和性によく焦点が当てられている。とりわけ米国では、リベラル勢力を非難するために、「左派政治家やメディアが闇の政府(ディープステイト)を形成してアメリカを牛耳っている」とする荒唐無稽なQアノン陰謀論が流行している。今秋の大統領選挙においても、Qアノン陰謀論にもとづいてトランプ氏を支持する運動が一部で見られる。これらは、まさに共和党=保守と陰謀論の関連を私たちに強く印象付けていると言えるだろう。また安倍晋三元首相とトランプ氏が蜜月関係にあったことを背景に、日本の保守勢力の一部でも「選挙不正陰謀論」を発信する者がいる。

ただし実際には、Uscinski and Parent,(2014)が「陰謀論は敗者のためにある」と指摘するように、保守=陰謀論という図式は必ずしも正確ではない。とくに日本政治の文脈を踏まえると、10年以上「敗者」であり続けている野党支持者(リベラル層)こそ、陰謀論に陥りやすい環境が日本にも形成されつつある可能性を真剣に考えるべきではないだろうか。

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