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大山のぶ代さん愛用のゲーム機「アルカノイド」、東京・高田馬場のゲームセンターで稼働
「ブロックくずし」進化版
アルカノイドは、タイトーが昭和61年にゲームセンター向けに投入した。その10年ほど前に登場し、ゲーム黎明期に人気となった「ブロックくずし」の進化版だ。
ブロックくずしは、画面上をバウンドしながら移動するボールを、画面の下に落ちないように、棒状のものを左右に操作して跳ね返し、ボールを当てることで煉瓦状に並べられたブロックを消していくゲーム。全てのブロックを消すとステージクリアとなる。
この骨格を生かしつつ、ゲーム性を向上させたのがアルカノイドだ。特定のブロックを壊して出現するカプセルを取ると、一定時間、ボールのスピードが遅くなったり、ボールが3つに増えたりして、有利にゲームを進められる。また、ブロックくずしにはなかったボタンを押すことでレーザーを発射し、ブロックを消すことができるようになるカプセルもある。
大山さんがアルカノイドに挑む動画は、ユーチューブなどで見ることができる。ステージが進むとボールはかなり速くなり、下に落ちないように跳ね返すには反射神経が必要だ。しかし、昔のテレビ番組と思われる映像の中で、大山さんは巧みにつまみ型のコントローラーを操り、全33ステージを難なくクリアして見せた。仕事で地方に出かけた際、飛行機の待ち時間などにゲームセンターで遊んでいたところ、アルカノイドに夢中になり、上達していったという。動画内の「うまいのはアルカノイドだけ?」という質問に、大山さんは「他のゲームは全然できないんです」と答えていた。
ミカドは高田馬場や池袋に店舗がある。景品の獲得を目的とするゲームは置かず、昔ながらのゲーム機をそろえているのが特徴で、ゲームファンからは〝聖地〟とも言われる。格闘ゲームなどの大会も盛んだ。運営会社の池田稔社長の友人が、映像作品の制作に携わっており、大山さんがアルカノイドをプレイするDVDを作ったという縁があった。
別荘にアルカノイドの筐体を置きたいという大山さんの希望を受け、池田さんが手配。3年ほど経ち、体調を崩した大山さんがアルカノイドの引き取り手を探していると聞き、譲り受けてゲーセンミカド高田馬場店に設置したという。その後、筐体は令和2年に開店したナツゲーミカドに移された。ナツゲーミカドは、正確には「ゲーセンミカド×ナツゲーミュージアム in 白鳥会館」で、ミカドの店舗の中でも特に、旧作の貴重な筐体が並んでいる。
池田さんは産経新聞の取材に、「大山さんの訃報を聞き、大変残念です。ミカドがある限り、大山さんのアルカノイドを稼働させ続けたい」と話した。(高橋寛次)
https://www.sankei.com/article/20241016-AUOIM72WWFATXMKN524FDGD3WE/