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那須川天心、初のボクシング・タイトル獲得!次は世界挑戦を目指す!!
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◇WBOアジア・パシフィック・バンタム級王座決定戦 同級1位 那須川天心(帝拳)<10回戦>同級2位 ジェルウィン・アシロ(フィリピン(2024年10月14日 東京・有明アリーナ)
“神童”那須川天心(26=帝拳)が判定でプロボクシングデビューから5連勝を飾り、キックボクシングから転向後初のタイトルを獲得した。国内での世界挑戦資格を得られる地域タイトルを手にし、来年の世界挑戦がいよいよ現実的となってきた。
“神童”が世界挑戦への第一歩を踏み出した。初回は右のジャブを出す那須川に対し、アシロがカウンターを狙う展開。那須川はこの回の終盤に左ストレートをカウンターで当てた。互いに距離感をつかんでいく中、アシロもカウンターだけでなく、前に出る場面もあるなど、緊迫感あふれる試合となった。
相手のカウンターにも苦しんだが、那須川は9回に右のジャブから左のボディーでダウンを奪った。最終10回に左のまぶたをカットしたが、最後までパンチを出し続けた。
7月の前戦では世界4位のジョナサン・ゴンサレス(米国)相手に何もさせずに3回TKOの完勝。それでも「前回からさらに進化している。突拍子もない動きだったり、ボクシングでは普段はない動きだったり。宇宙系ボクシングでユニバーススタイルでやりたい」と現状に満足せず、強さを追求。パンチのバリエーション、間合いの詰め方やフェイント、ステップ。全てにおいて成長を示し、ボクサー天心の完成形に近づけた。
ただ、タイトル初挑戦の不安もあった。調整期間のスパーリング中にはジムの大先輩で元WBC世界バンタム級王者・山中慎介氏に助言を求めた。また幼なじみで、国内最速タイトル保持者のアマ13冠の堤駿斗(24=志成)にもタイトル戦を戦う教えを請い、10回戦を戦うペース配分も学んでいた。
見据えているのは当然、世界の頂。今後については「来年、どこかで。誰というのはないが、全員狙っている」と日本人王者が占めるバンタム級主要4団体への挑戦を宣言してきた。その標的にはもちろん同じキックボクシング出身でWBO王者の武居由樹(28=大橋)もいる。「天心選手とやりたい」と武居本人からラブコールを受けている那須川は「そうゆう時期が近づいてきているのかなと思う」とした上で「まだ5戦目。トランキーロ(焦らないで)で。まだまだ強くなるので。もうちょっと待ってください、という思い」と慎重な姿勢を見せる。
「じっくり育てる」方針の帝拳ジム・本田明彦会長は、来年末をメドに世界挑戦させる意向。一戦ごとに成長を示し続ける神童は自ら「もうチャンピオンが無視できなくなっている」と話す。世界のベルトは確実に近づいている。