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イニエスタは7日、自身のSNSにて1本の動画を公開。イニエスタに対して「あなたにとってフットボールとは?」という問いを投げかけるシーンから始まったこの動画は、幼少期から歩んできた道のりが映し出されている。また、動画内にはラ・マシア(バルセロナの育成組織)時代の恩師でもあるロレンソ・セラ・フェレール氏、バルセロナのトップチームデビュー当時の監督だったルイ・ファン・ハール氏、チームメイトとしても監督としても共闘したルイス・エンリケ氏、共に“黄金時代”を築き上げたジョゼップ・グアルディオラ氏、スペイン代表で共にFIFAワールドカップのトロフィーを掲げたビセンテ・デル・ボスケ氏らが登場。イニエスタというプレイヤーを彼らの言葉で語るとともに、最後にはバルセロナの主務を務めるカルラス・ナバル氏により「彼は決してサッカーから離れることはできない」という言葉が伝えられた。
なお、イニエスタは今月1日、2024年10月8日に将来に関する発表をすることを示唆。自身を象徴する背番号『8』に伴い、現地時間の8日には、今後どのようなステージへ進むのかが明かされる予定となっている。
スペインフットボール史上最も重要なゴールを決めた“稀代の天才”が、バルセロナ、ヴィッセル神戸、エミレーツ・クラブ、そしてスペイン代表でプレーしたプロキャリアに終止符を打った。1984年5月11日生まれの現在40歳。後にラ・マシアの最高傑作と謳われるまでに至るイニエスタのトップチームデビューは、2002年10月29日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)のクラブ・ブルッヘ戦だった。以降はコンスタントに出場を続け、2008年夏にジョゼップ・グアルディオラ監督が就任したことを境に、絶対的な地位を確立し始める。セルヒオ・ブスケツ、シャビ、リオネル・メッシらとともに、故ヨハン・クライフ氏が植え付けた「美しく勝利せよ」を体現し、2008-09シーズンから2011-2012シーズンまでの4年間で実に14タイトルを手中に収めた。2009年に達成した主要大会6冠はフットボール史上初の快挙だった他、宿敵レアル・マドリードを粉砕した“マニータの夜”など、クラブに黄金時代をもたらした。
最終的に、イニエスタは2018年夏までバルセロナに在籍。トップチームで過ごした16年間でクラブ公式戦通算674試合出場・57ゴール135アシストを記録するとともに、計35タイトルを獲得した。そして同年夏、ヴィッセル神戸に加入する。愛する故郷を離れ、Jリーグに活躍の場を移したイニエスタは、J1リーグ第17節湘南ベルマーレ戦でデビューすると、それ以降はヴィッセル神戸の中心選手に君臨。2019シーズンにはキャプテンとしてクラブ史上初の天皇杯優勝に導くなど、在籍した5年間でクラブ公式戦通算134試合出場・26ゴール25アシストという功績を残した。
また、2006年5月にデビューしたスペイン代表では、FIFAワールドカップに4度、EUROに3度出場したことを始め、国際Aマッチ通算126キャップを保持。なかでも、FIFAワールドカップ南アフリカ2010決勝のオランダ代表戦では、延長戦にてスペイン代表史上初のFIFAワールドカップ優勝を決める決勝ゴールを記録。2008年から2012年にかけて成し遂げた、前人未到となる主要大会3連覇の原動力となった。EURO2008とFIFAワールドカップ南アフリカ2010でそれぞれ大会ベストイレブンに、EURO2012では大会最優秀選手賞に選出されている。
今夏、ヴィッセル神戸退団後に加入したエミレーツ・クラブ(UAE)を契約満了に伴い退団し、無所属となっていた。バルセロナの黄金時代を象徴する選手として、ヴィッセル神戸に初の国内主要タイトルをもたらした選手として、そしてスペイン代表だけでなく、26歳の若さで急逝した親友の故ダニエル・ハルケ氏をも世界一の座に着かせる“116分のゴール”を決めた選手として、フットボールファンの記憶に刻まれ、惜しまれながらユニフォームを脱ぐ。
https://news.yahoo.co.jp/articles/de68873de47b9504e1efc56ec7abb872726c8620