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中国 恒大集団に関するものネットから消える 債権者同士の連絡も不可に
【香港時事】中国不動産開発大手・中国恒大集団の経営危機で、個人の債権者らが交流目的で利用する
スマートフォンのアプリ機能が制限されたもようだ。アプリ上では恒大への抗議活動などに関して情報交換が行われていた。社会不安の増大に神経をとがらせる中国当局が、債権者の連帯や団結を封じようと規制に乗り出した可能性がある。
ロイター通信によると、制限が加えられたのはインターネットサービス大手・騰訊(テンセント)の人気対話アプリ「微信(ウィーチャット)」。恒大の債権者らがアプリ上に設定した少なくとも八つの「グループ」で、9月28日以降にメッセージを投稿できない状態となった。
これらのグループには200~500人が参加。同じ境遇の者同士で、購入した住宅が引き渡される見込みの有無や、恒大の社債など金融商品の元利払いについて情報共有したり、抗議行動の実施計画を練ったりしていたとみられる。
しかし、制限後はアプリのグループにアクセスしようとしても、「関連規定に違反しています」と表示され、拒否。グループ自体がアプリから抹消されたケースもある。
また、グループに参加した2人を当局者が訪問。「いかなる集会や違法な活動にも参加しない」とする誓約書への署名を要求したという。
6月末時点で総額1兆9670億元(約34兆円)の巨額負債を抱えた恒大をめぐっては、債権者らが9月中旬ごろから、本社のある広東省深セン市など複数の都市で抗議を展開。ウィーチャット上でも多くの不満の声が上がっていた。
一方、中国国内ではネット上に掲載された恒大関連のニュースが削除され、報道規制とみられる動きが出ている。