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うまい棒が3円値上げにもかかわらず日本人から「ありがとう」の声で溢れる理由
https://president.jp/articles/-/86513?page=1
西山 守
マーケティングコンサルタント、桜美林大学ビジネスマネジメント学群准教授
日本を代表する駄菓子「うまい棒」が12円から15円へと値上げすることがメーカーから発表された。しかし、値上げを非難する声はほとんど聞かれなかった。桜美林大学准教授の西山守さんは「ディズニーリゾートやNetflixなど、炎上しない値上げには特徴がある」という――。
目次
1.値上げなのに「ありがとう」の声が上がった「うまい棒」
2.「ガリガリ君」との共通点
3.「唯一無二の存在」に固定ファンが付いていた
4.顧客が愛着を持つ商品の値上げは受け入れられる
5.「値上げ」の根拠を正直に説明し、誠実な態度で伝えること
6.炎上した楽天モバイル「0円プラン廃止」
7.「値下げ」なのに大失敗した大塚家具
値上げなのに「ありがとう」の声が上がった「うまい棒」
円安と原材料費の高騰により、値上げラッシュが続いている。多くの消費者は、値上げはやむを得ないものとして受け入れつつも、SNSやネット上では不満の声が吐き出され続けている。
そうした中で、値上げが素直に受け入れられたのみならず、賞賛された商品がある。菓子メーカーのやおきん(東京)が販売する、スナック菓子「うまい棒」だ。
「うまい棒」は、2024年10月出荷分から、現在の販売価格12円から3円値上げし、15円で販売される予定となっている。なお、同商品は、2022年1月に10円から12円に値上げてしている。
「うまい棒」は、2022年からの2回の値上げで価格は1.5倍になってはいる。しかし、1979年の発売当初から1本10円で販売されており、約42年間この価格を維持してきた。
今回の値上げに対して、批判的な声はほとんど見られない。むしろSNS上では「値上げしても買います」「これまで安く売ってくれてありがとう」といった、応援、感謝の声が多数投稿されている。値上げしたことで、これまで安い価格を維持してきたことが逆に注目を浴びる結果となっている。