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「日本こそが反中憎悪教育を行っている」中国SNSで主張相次ぐ「中国を嫌っている日本人の割合は93%」
18日朝、深セン市の日本人学校に登校中だった男児が、学校から200メートルほどの位置で男(44)に刺された。男児は翌19日未明に死亡した。男は現地当局に拘束され、取り調べを受けているというが、詳しい動機などは明らかにされていない。
事件をめぐり、日本国内では中国が長年、反日憎悪教育を行ってきたことが原因だと指摘する声が相次いでおり、SNS上には中国の幼稚園で日本兵を“やっつける”イベントが行われたり、絵に「日本人大好き」と書いた児童が教師から体罰を受けたりする動画が転載され、物議を醸している。
一方、中国外交部は今回の事件を「個別の事件であり、世界のどの国でも起こりうる」と主張。上川陽子外相と会談した王毅(ワン・イー)外相も「日本側は理性的に見るべきで、政治化や拡大化を避けるべき」と述べたほか、中国の主流メディアも「中国に憎悪教育などない」と主張している。
そうした中、中国のSNS上では「日本こそが反中憎悪教育を行っている」との投稿が相次いでいる。微博(ウェイボー)で300万超のフォロワーを持つアカウントは「何が子どもの頃からの憎悪教育か。日本の右翼に警戒」とつづり、数枚の写真を掲載。写真には靖国神社とみられる場所で旧日本軍の軍服を着た日本人の男児らの様子や、大勢の幼稚園児が日の丸と旭日旗を持って並んでいる様子などが写っている。
フォロワー約47万のアカウントは同じく靖国神社で旧日本軍の軍服を着た大人たちが行進する動画のキャプチャ画像を数枚掲載し、「今の日本社会全体が、日本軍国主義の繁殖土壌である。彼らが忘れていないのに、われわれがどうして忘れることができようか」とつづった。画像には「日本の軍国主義教育、憎悪教育は本当に老若男女、普遍的に行われている」との字幕まで付けられている。
250万近くのフォロワーを持つ別のアカウントは、「上川外相が反日的なSNS投稿の取り締まりを中国側に求めた」というニュース記事の画像を添付した上で、「日本が中国側に圧力をかけているが、世論調査によると中国を嫌っている日本人の割合は93%に達している。いったいどちらが“憎悪教育”を行っているのか?」と主張した。
また、親中派として知られる台湾の司会者で政治評論家の黄智賢(ホアン・ジーシエン)氏は微博に動画を投稿し、「犯人が愛国や日本への恨みで凶行に及んだという証拠はあるのか?」「日本側は今回の事件を無理矢理に日中関係に結び付けている」などと主張。「中国人が日本に申し訳ないと思うことは何もない。中国人が日本を見て不快になるのは理解できる。日本は多くの中国人を殺し、侵略し、占領し、略奪し、今に至るまでそれを認めず、謝罪せず、悔いてもいない!」「ではなぜ日本人はこんなにも反中なのか。それは何らかの意図があるからだ」などとし、責任は日本の政治家にあると強弁した。(翻訳・編集/北田)