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高校の文化祭の資材に…都知事選のポスター掲示板、「候補者塗りつぶせばOK」と選管が提供
2024年9月8日 06時00分
7月に投開票された東京都知事選のポスター掲示板を資材として再利用し、都立田園調布高校(大田区)の生徒らが文化祭の準備を進めている。
都知事選では一部候補者や政治団体の選挙ポスターを巡って議論が起きた掲示板だが、
生徒らは「ある物は有効利用しないともったいない。選挙に関心を持つきっかけにもなった」と話している。(佐藤航)
東京都知事選の選挙ポスター問題 7月7日投開票の都知事選に過去最多の56人が立候補し、掲示板の枠が不足したほか、
売名や営利目的とも取れる一部の選挙ポスターが批判を受けた。
候補者の1人は、ほぼ全裸の女性の写真を使ったポスターを掲示。
警視庁から都迷惑防止条例違反の疑いで警告を受け、撤去に追い込まれた。
ある政治団体は大量に候補者を擁立してポスター掲示板を「占拠」し、団体に寄付した人の主張をポスターに掲載。
掲示板の枠を販売するような行為に批判が集中した。
◆物価高騰、ベニヤ板の代わりに
ブルーシートに大きな板を置き、黒ペンキで丁寧に塗りつぶしていく生徒ら。
板はマス目で仕切られ、「ポスター掲示場」「東京都知事選挙」の文字が見える。ところどころ候補者のポスターも張られたままで、「人の顔にペンキを塗っちゃっていいのかな」という冗談も聞こえてきた。
田園調布高は毎年9月の文化祭「ぽろにあ祭」で、各クラスが模擬店やアトラクションなどを展開。
例年はクラスごとに割り振られる2万~3万円ほどの生徒会費でベニヤ板などを買っていたが、
最近の物価高騰でやりくりが難しくなっていた。そこで目をつけたのが、ポスター掲示板だった。
発案したのは3年の吉川智也さん(17)。知り合いの教員から別の学校で掲示板を活用した例があると聞き、大田区選挙管理委員会事務局に問い合わせた。
営利目的ではなく、候補者の顔が分からないようポスターを塗りつぶすなどの使い方であれば、提供は可能だという。
学校と相談しながら区選管事務局と交渉し、大きさ1畳ほどの掲示板216枚を譲り受けた。