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【韓国報道】「アベが支援する候補が日本総理になったら大変なことに」~戦々恐々とする米国政府、と韓国メディア
また、退任まで10日残してバイデン大統領と会うスガ・ヨシヒデ(菅義偉、73)総理の米国行に、現地政府とメディアはほとんど関心がないことが分かった。
東洋経済は「アメリカ政府に「最も都合のいい」次期総裁は誰か」という企画記事で「アメリカ国内政界関係者はもちろん主要メディアも日本の自民党総裁選挙にほとんど関心を見せない」と伝えた。バイデン行政府の高位官僚らと接触した日本の消息筋も一様に日本の次期指導者が迷惑をかけないかに関心が集まっていると話す。
同様の理由で来る24日、ホワイトハウスで開かれる米国・日本・オーストラリア・インドなど4ヶ国(クアッド)最初の対面首脳会談出席のためにワシントンに行くスガ総理もほとんど注目をあびずにいる。東洋経済は「日本の代表である菅義偉首相が、この首脳会談の数日後に退陣することは残念ながら、誰も気にとめていないようだ」と伝えた。
このような無関心は直ちに急で差し迫ったコロナ19防疫と経済対応、アフガニスタン軍撤収後日の暴風などバイデン行政府の悩み事が山積しているという事実の他にも誰が日本の政治指導者になろうが大きく変わることはない、という認識が大きく位置する。
米国としては硬い両国同盟関係の維持が重要だが、これはシステム的に安定しているので総理が変わるにしても大勢に大きい影響を与えないという信頼が土台に敷かれているということだ。
記事によれば米国政府は岸田文雄(64)元自民党政調会長や河野太郎(58)行政改革相のどちらかが有力ということに安心している。岸田と河野はどちらも外相の経験がある人物という点でも無難だと考えている。米国との同盟関係およびヨーロッパとの関係改善、中国を戦略的競争者と見る観点などで両候補者とも米国の国益と衝突しないと見るためだ。
しかし現在は当選の可能性が低い高市元総務相が総理になる場合は事情が異なると見ている。彼女の当選はなければという情緒が強い。高市は太平洋戦争A級戦犯の位牌が合祀されている靖国神社参拝を公約に掲げるなど極右指向を見せているためだ。これは韓・米・日三国同盟を復元しようとする米国政府の計画に相当な障害物になりうる。
三角同盟の軸をなす韓国の強力な反発を呼ぶだけでなく、中国にも攻撃の口実を与えかねないというのが米国政府の見解だ。
(訳注:米国政府の見解ではなく、後述のハリス氏の見解。関連記事参照)
ワシントンのシンクタンク米国進歩センターの日本分析家トバイアス・ハリスは「タカイチが総理になるのは中国に便利なプロパガンダ(政治・外交的宣伝)の素材を提供することになる。そうなれば、日本はアメリカにとって、一緒にやりにくい同盟国になる」と予想した。
東洋経済は「たとえタカイチの当選の可能性が低くても、万に一つ、総裁選挙決選投票に上がりでもすれば、アベ前総理など主流派閥のリーダーがまとまって支援する可能性の憂慮が米国政府内から出ている」と伝えた。
(訳注:「米国政府内から出ている」の部分は東洋経済記事になく、実際は「主流派閥のリーダーたちが結束して高市氏に付くのではないかとの懸念もある」)
キム・テギュン選任記者
ソウル新聞(韓国語)
https://www.seoul.co.kr/news/newsView.php?id=20210922500083
関連記事:東洋経済<アメリカ政府に「最も都合のいい」次期総裁は誰か>
https://toyokeizai.net/articles/-/457328
その中の例外が高市氏で、同氏は戦没者を祀った靖国神社への参拝を公約に掲げるなど、戦時中の歴史について強硬な見解を示しており、これは日米韓の三国同盟を修復しようとするアメリカ政府の希望を実質的に打ち砕くことにもなる。高市氏が首相に就くことは、「中国にとって都合のよいプロパガンダとなり……日本はアメリカにとって、一緒にやりにくい同盟国になる」(ハリス氏)。