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【朝日新聞】BTSが国連総会で演説 「世の中は少しずつ前に進んでる」
BTSは文在寅(ムンジェイン)大統領から「未来世代と文化のための大統領特使」に任命されており、外交旅券でニューヨークを訪れた。国連を訪れるのは3年ぶり。国連本部で最も広い総会議場が会場となったが、新型コロナウイルス対策のため入場は厳しく規制され、グテーレス国連事務総長や文氏ら数十人だけが演説を見守った。
演説は「未来」をテーマに進められた。黒のスーツ姿で登壇したメンバーは「私は昨日と同じなのに、一瞬にしてパラレルワールドに来たように世の中が変わってしまった」「長い間準備してきたコンサートツアーが中止になってしまって悔しい思いをした」などとコロナ禍によって失われたものを嘆いた。
一方、「未来についてあまり暗く考えないで」「可能性と希望を信じれば、予想外の状況でも、道に迷うのではなく新しい道を発見するようになる」と前向きなメッセージも送り、若者世代について「ロストジェネレーションではなく、ウェルカムジェネレーションという方がふさわしい」と指摘。変化におびえるよりも、それを歓迎しながら前進する必要性を説いた。
メンバーは7人全員が事前にワクチンを接種したという。「ワクチンの接種はファンに会うため、この場に来るためのチケットだったと思う」「新しい日常を続けるための努力が続いている」などと語り、演説後には、直前に国連本部で録画されたとみられる7月発表の新曲「Permission to Dance」が披露された。
国連では21日から各国の首脳らによる一般討論演説が始まり、この時期は「ハイレベルウィーク」と呼ばれる。イベントは「SDGモーメント」と題され、新型コロナウイルスにいかに向き合い、SDGsの取り組みを加速させるか、各国の首脳や国連幹部らが議論する。
BTSは2018年、ユニセフ(国連児童基金)の会合に出席。RMさんが他人の視線ばかりを気にかけていた少年時代を振り返り、「私たちは自らを愛することを学んだ。みなさんも自分自身のことを話しましょう」と呼びかけ、反響を呼んだ。
昨年は新型コロナの影響で来訪こそかなわなかったが、事前録画の映像が流された。RMさんは「夜に空を見上げても星が見えなかった」とツアーがキャンセルになった悔しさなどを語る一方、「最も暗い夜に、星は最も明るく輝く」と生き抜く大切さを訴えた。
BTSは米国での人気も高く、昨年8月に「Dynamite」が韓国のアーティストとして初めて、米ビルボードのシングルチャートで1位を記録した。
昨年11月に発売したアルバム「BE」もアルバムチャートで1位となり、今年のグラミー賞では「最優秀ポップ・デュオ/グループ・パフォーマンス部門」にもノミネートされた。国連のツイッターは通常、1投稿の「いいね」は数百件程度だが、BTS関連では数万件となる。(ニューヨーク=藤原学思)
9/20(月) 22:23配信 記事元 朝日新聞
https://news.yahoo.co.jp/articles/9a377457683c2f7ad054dfebb3f5c2bd86f95b68