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【中央日報】有機ELも中国に遅れをとった…崖っぷちの韓国ディスプレー
中国ディスプレーの侵攻はきのうきょうのことではない。韓国ディスプレー産業協会によると、韓国は2018年だけでもディスプレー全体で世界シェアが42.6%で中国の25.0%を大きくリードしていた。だが2020年に韓国が36.8%、中国が36.7%と互角となったのを最後に中国に逆転され、昨年は韓国が33.4%、中国が47.9%と中国に完全に主導権を奪われた状態だ。それでも「中国の低価格攻勢のため、技術主導権はまだ韓国にある」と慰められたのは有機ELのような高付加価値ディスプレーではシェア優位を維持したおかげだった。その有機ELまで中国に王座を完全に奪われないか懸念される水準に入ったのだ。
いくつかの背景のためと解説される。まず韓国ディスプレー打倒を目標にした中国政府の大々的な補助金投資だ。中国最大手パネルメーカーのBOEは昨年だけで中国政府から38億元の補助金を受けたと推定されるが、これは昨年BOEが記録した純利益25億元の1.5倍規模だ。BOEはこのように備蓄した財政余力を次世代有機EL生産設備投資に注ぎ込んでいる。BOEが中国・成都に建設を推進する第8.6世代有機EL生産ラインの投資金は630億元で、サムスンディスプレーの投資金の3倍に達する。これと違い韓国企業はディスプレー産業で税制優遇水準の限定的な支援だけを受けている。
中国の電子企業はこのように育成された自国製ディスプレーの消費を増やして全面的な援護射撃に乗り出している。市場調査会社シノリサーチによると、中国の上半期のスマートフォン有機EL世界シェアは出荷量基準で50.7%となり、49.3%の韓国を初めて抜いた。昨年上半期と比べ中国は10.1ポイント成長したのに対し、韓国は10.1ポイント下落した。ファーウェイをはじめとしてシャオミ、OPPO、vivoなど中国のスマートフォンメーカーが自国製有機ELを搭載した新製品発売に出て現れた結果と分析される。IBK経済研究所のキム・ギュソプ所長は「中国が韓国から輸入してきた中間財を自国製品に変え韓国ディスプレーの危機が深まっている」と伝えた。
一層深刻化する韓国の技術流出も中国の有機EL急成長をあおっている。最近中国・広州のLGディスプレー工場で保有する大型有機EL量産技術が中国企業に持ち出される事件が発生し、この会社の元社員が韓国で拘束され起訴された。警察庁によると、ディスプレー関連技術流出の送検件数は2019年の1件から2022年に7件、昨年は12件に急増した。高麗(コリョ)大学技術経営専門大学院のイ・ソンヨプ教授は「人材を通じた技術流出が繰り返されないよう韓国企業が内部インセンティブ提供を強化するなど対策に努力しなければならない」と懸念する。
韓国企業の経営失敗を振り返らなくてはならないという自省論も一部では提起される。中国の物量攻勢に対抗するには生産単価引き下げが急務だ。業界内外では現在第6世代で量産されるIT機器用有機ELが第8.6世代へシフトしてこそ本格的なコスト節減効果につながるとみている。しかしサムスンディスプレーは2026年初めに第8.6世代IT機器用有機EL生産ライン稼動を目標にしており、LGディスプレーはまだここにまともな投資にも出ていない状況だ。2年間の業績悪化にともなう財務負担が加重されたためだ。LGディスプレーは2021年に営業利益2兆2306億ウォン(約2440億円)を最後に2022年には2兆850億ウォンの損失を出し、昨年は2兆5102億ウォンと営業損失が雪だるま式に膨らんだ。
匿名の証券会社研究員は「LGディスプレーはIT機器用有機ELよりはテレビ用有機EL市場開拓に重点を置いて事業を進めてきたが、世界市場では大型有機ELより中小型有機EL市場の拡大がより早く進んでいる。LGエレクトロニクスがスマートフォン事業での浮沈を体験した末に撤退しテレビなど家電事業に集中するなど諸般の事情が不如意だったとはいうが、結果的に(LGディスプレー)経営陣の判断ミスが悔やまれる」と診断した。LGディスプレーは2022年から液晶パネル(LCD)生産ラインの稼動を中断して有機EL中心の事業構造に再編し、今年現在まで人材再配置を通じたコスト効率化を企画中だ。
以下全文はソース先で
中央日報日本語版 2024.09.01 12:58
https://japanese.joins.com/JArticle/323126
https://japanese.joins.com/JArticle/323127