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【北朝鮮版トマホーク】低空飛行で沖縄も射程圏内「ミサイルは126分飛行」韓国軍が探知できなかった訳は 米国より優れている
韓米連合軍は50-100メートル以下の低い高度で飛行する巡航ミサイルについてはその探知と迎撃のシステムをしっかりと構築できていない。北朝鮮はこの点に着目し、これまで長距離巡航ミサイルの開発に力を入れてきたとみられる。このミサイルが実戦配備された場合、北朝鮮は有事に慶尚北道星州郡の在韓米軍のTHAAD(高高度防衛ミサイル)基地はもちろん、在日米軍基地のTHAADレーダー、さらには在日米軍の海軍と空軍の基地なども破壊できる。北朝鮮は今月11-12日に2時間以上にわたり巡航ミサイルの発射実験を行ったにもかかわらず、韓米の情報当局は探知に事実上失敗した。これはこの巡航ミサイルが韓米による従来の北朝鮮監視網を避けて低く飛んだからとみられる。
とりわけ専門家は「北朝鮮が新型の長距離巡航ミサイルと弾道ミサイルを同時に発射した場合、レーダー網が破壊され、韓米の軍当局によるミサイル防衛システムが崩壊しかねない」として懸念を示している。米戦略国際問題研究所(CSIS)ミサイル防衛プロジェクトのイアン・ウィリアムス副局長は米政府系メディア「ボイス・オブ・アメリカ(VOA)」とのインタビューで「(北朝鮮の)巡航ミサイルはこれまでと非常に異なった種類の空中における脅威であり、北朝鮮が巡航ミサイルと弾道ミサイルを同時に発射した場合は非常に危険になる」とした上で「北朝鮮が巡航ミサイルを使って(韓国軍の)レーダーを無力化し、その後に弾道ミサイルを発射した場合、韓国はまともな対応もできなくなるだろう」「(ミサイルの探知と追跡を行う)レーダーが存在しなければ、迎撃ミサイルも無用の長物になる」と警告した。
北朝鮮の新型長距離巡航ミサイルの最大射程距離は1500キロに達するため、日本の横須賀にある米第7艦隊基地や佐世保の海軍基地はもちろん、沖縄の嘉手納基地も射程圏内に入る。これらの在日米軍基地は有事に米国の増援部隊が出動する拠点となっていることから、今回の巡航ミサイルは韓半島有事に米軍の介入をけん制することが狙いとみられる。北朝鮮が在日米軍基地を射程圏とする北極星2型(最大射程距離2500キロ)などの弾道ミサイルに続き、巡航ミサイルの開発にも成功したことから、有事に米軍の介入を阻止する北朝鮮版「接近阻止/領域または地域拒否(A2AD)」戦略を推進しているとの指摘もある。
長距離巡航ミサイルに核弾頭が装着可能かどうかにも注目が集まる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は今年1月の労働党第8次大会での報告で「常用弾頭の威力が世界を圧倒する新型の戦術ロケットと中長距離巡航ミサイルをはじめとする先端核戦術武器などを続けて開発することで、信頼できる軍事技術的強勢を確実に手にした」と述べた。北朝鮮の発表が正しければ、中長距離(長距離)巡航ミサイルにも戦術核弾頭が装着できることになる。長距離巡航ミサイルには500キロ以下の弾頭を装着できるとみられるが、これは核弾頭の小型化がかなりのレベルにまで進展しなければ実際に装着できないということだ。
北朝鮮はこの日、移動式発射台からミサイルが発射される様子と飛行の様子を撮影した2枚の写真も公開した。写真を見た専門家は「韓国が開発・配備した玄武3と米国のトマホークに外形が似ている」と指摘する。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ事務局長は「ミサイルに装着されたエンジンの空気吸入口の位置などは玄武3よりもトマホークにもっと似ているようだ」との見方を示した。韓国は2000年代初め以降、米国の巡航ミサイル「トマホーク」に似た玄武3(最大射程距離1500キロ)を実戦配備した。正確度は3メートル以内で、米国のトマホークと同じか、より優れているという。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者
朝鮮日報 記事入力 : 2021/09/14 10:56
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