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【甲子園】名門校続々敗退なぜ? 低反発金属バットと投手レベルの底上げが影響
◇第106回全国高校野球選手権大会第8日・2回戦(2024年8月14日 甲子園)
優勝候補の健大高崎(群馬)、大阪桐蔭、報徳学園(兵庫)が戦力的には下とされる相手に敗れた。なぜか。今春選抜で完全移行となった低反発の金属バットがゲームバランスに影響を及ぼした。
投手の消耗が激しい夏は打撃力にたけるチームが制する――。これが定説だったが、芯を外せば著しく飛距離が落ちる低反発バットでは、フィジカルで飛ばす「金属打ち」は不可能。
大会8日目を終え、1試合あたりの両チーム計得点は昨年の9・93から7・13に、1試合で本塁打の出る確率は53・8%から13・8%に急落。ロースコアであれば、勝機は両チームにある。健大高崎は1、大阪桐蔭は0、報徳学園は1得点と打てずに敗れた。
投手レベルの底上げもロースコアに拍車をかけた。SNSでの技術共有、卓越した知識を持つ個人トレーナーの存在が当たり前になった。140キロ投手を育てるすべは名門だけの奥義ではなくなり、全国各地に広がった。
当初の目的通り、低反発バットで打球速度が下がれば、投手や内野手の安全性は向上する。そこにロースコアが増えれば、全国の代表校が優勝を狙える「戦国状態」にもなり得る。
熱中症対策の「クーリングタイム」、今夏試験的に3日間実施された「朝、夕2部制」も高校野球が持続可能であるための改革。
花巻東(岩手)の佐々木洋監督は「変わるべきもの、変えてはいけないものを考えなければいけない」とした。
“変えてはいけないもの”とは何か。イニング制の議論など他にも検討課題が挙がる中、高野連、選手、指導者、そして野球ファンが未来のために共通認識を持ちたい。