あわせて読みたい
水質懸念のセーヌ川でトライアスロン強行 選手がレース後に10回嘔吐、医師のスペイン選手は主催者を非難「私達はサーカスのピエロ」
現地7月31日にパリ五輪の男女トライアスロン競技が行なわれた。連日の降雨で水泳会場のセーヌ川に大量の生活排水が流れ込んで水質が悪化。大腸菌をはじめとした細菌濃度が基準値を超えたため、事前練習は2日続けて延期に。それでも大会組織委員会は水質が改善されたとして競技を“強行”した。
米紙『New York Post』によると、カナダ人選手のタイラー・ミスラウチュクがレース終了後に10回も嘔吐したという。トライアスロンやフルマラソンなど高強度の運動後、極度の疲労で体調不良を起こしたり吐き気を催すケースがあり、同紙も「ミスラウチュクの嘔吐の原因が、セーヌ川の水質によるものなのかははっきりしない」と言葉を濁している。
また、スペイン紙『Marca』は、トライアスロンに出場したスペイン人選手ミリアム・カシージャスの談話を紹介。医師でもあるカシージャスは、「アスリートへの配慮がなかった。主催者はセーヌ川が舞台というイメージを優先した」と非難。「もし出場者の健康を考えるなら、ここ(セーヌ川)ではなく、プランB(別の場所での開催)があったはずだ」と語った。
さらに、「大会の準備期間は8年もあったのにね。私たちはサーカスのピエロのようなもの。アスリートとして、ひとりの医師として、選手たちはもっと声を挙げたほうがいい。これまでのトライアスロンでは、レースの途中やレース後に体調を崩し、何か月も抗生物質の投与を受けた選手がいる。それは、スポーツ選手としてキャリアを台無しにするような事態だ」と、パリ大会の運営に苦言を呈した。
構成●THE DIGEST編集部
https://news.yahoo.co.jp/articles/52ac008cc44a11e32c65852eff38bb89e6636917
“https://newsatcl-pctr.c.yimg.jp/t/amd-img/20240801-00083979-thedigest-000-5-view.jpg