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堀井雄二氏「ゲームのグラフィックがリアルになるにつれて無口の主人公を描くのが難しくなった」
橋野:
「漫画の主人公」は個性や意志を持っていますし、 個人の目的を持っています。一方、『ドラクエ』の主人公は、 勝手にしゃべることはありませんよね。「ゲームの主人公」を描くにあたり、作りづらさは感じなかったのですか?
「漫画の主人公」は個性や意志を持っていますし、 個人の目的を持っています。一方、『ドラクエ』の主人公は、 勝手にしゃべることはありませんよね。「ゲームの主人公」を描くにあたり、作りづらさは感じなかったのですか?
堀井:
作りづらくはなかったです。シンボル的な主人公でも、さまざまな反応をプレイヤー自身が想像したり、主人公のキャラクターに感情移入して「こいつは自分だ」と動かしていたわけじゃないですか。だけど、ゲームのグラフィックが進化してリアルになってくると、突っ立っているだけの主人公はマヌケに見えてしまう(笑)。かといって大げさに反応させるとプレイヤーは「これは俺じゃない」と思ってしまう。ですから、『ドラクエ』のような主人公はゲームがリアルになるとツラくなってきます。これは今後の課題でもありますね。