【アフガン】タリバン「旧政権の武器や弾薬を持ってる人は１週間以内に我々に渡してね。期間内に渡せば処罰しないよ」

【ニューデリー=馬場燃】アフガニスタンを掌握したイスラム主義組織タリバンの報道担当者は28日、首都カブールで旧政権の武器や弾薬などを所有している人に対し、1週間以内に譲渡するよう要請すると発表した。

期間内に渡せば処罰しないとしている。タリバンは新政権の樹立に向け、旧政権のアフガン軍と防衛体制を一緒に整備するとみられている。

タリバンの報道担当者は新政権の体制を近く発表するとしている。タリバンの兵士は最大8万人強とされる。

一方のアフガン軍の治安部隊は30万人強に上り、タリバンは武器や弾薬などを取りあげることで統治を強める狙いがありそうだ。アフガンでは過激派組織「イスラム国」（IS）系勢力の「ISホラサン州」が大規模な自爆テロを起こし、防衛体制の強化を急ぐ目的もある。

タリバンの報道担当者は旧政権の保健省で働いていたアフガン女性に対しても仕事を再開するよう促した。

タリバンは1996年から2001年の前回政権時に過激なイスラム主義思想から女性の労働を禁じていた。新政権樹立を前に女性の人権に配慮する姿勢を演出する思惑が透ける。

ただアフガン市民は統治体制が不透明なタリバン新政権への警戒を強めている。

旧政権で働いていた50代のアフガン男性は「タリバンが我々を再び雇用するかわからない。だから空港に行って、どうにか国外に脱出しようとしている」と語る。タリバンは新体制で旧政権側の人々を排除するという観測もある。

日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB281LM0Y1A820C2000000/