【朝日新聞記者】 日韓双方の「忖度」が生んだ不毛なレーダー照射問題

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【朝日新聞記者】 日韓双方の「忖度」が生んだ不毛なレーダー照射問題

1: @仮面ウニダー ★ 2024/07/20(土) 12:31:51.50 ID:ZOq37Y1h
ー前略ー
■平行線たどり続けた日韓の主張

 「事件」が起きたのは2018年12月20日のことだった。

 防衛省によると、石川県の能登半島沖で午後3時ごろ、海上自衛隊のP1哨戒機が韓国海軍艦艇から射撃用の火器管制レーダーを照射されたという。

 砲弾やミサイルを発射する前に狙いをつけるレーダーで、これが動いているのを目視で確認し、
韓国の艦艇が見えない距離まで遠ざかった後に今度は照射を機器で感知した。

 哨戒機は退避行動を取ったうえで、無線で艦艇側に意図を問い合わせたが、応答はなかった。
また日本政府関係者は、照射は約5分続いたが、砲身は向けられていなかったことを明らかにした。

 翌12月21日、当時の岩屋毅防衛相自らがこれらの事実を発表し、韓国政府に「不測の事態を招きかねない危険な行為」だとして
抗議したことを明らかにした。

 これに対し、韓国国防省は同21日の夜、「作戦活動の中でレーダーを運用したが、日本の哨戒機を追跡する目的で運用した事実はない。
誤解がないように十分に説明する予定だ」と否定した。

 同24日に韓国海軍は記者会見を開き、韓国の艦艇は当時、一帯で北朝鮮漁船の救助活動をしていたことや、
自衛隊の哨戒機が艦艇の真上を通過する「特異な行動」をとったため、「光学カメラ」を向けたことを明らかにした。

 光学カメラは火器管制レーダーのすぐ横に備えつけられ、作動させるとレーダーのアンテナも同時に動くが、
カメラを使うこと自体は危険を与えないと主張。「光学カメラだけを作動させ、レーダー照射はしていない」とした。

韓国側の対応にしびれをきらした防衛省は同28日、哨戒機が撮影した当時の映像を公開する。
約13分間の映像は、音声の一部が処理されているものの、当時の緊迫した生々しいやりとりが残っていた。

 これに韓国政府は反発し、約4分半の独自の映像を公開した。
だがここには、韓国海軍が訴える自衛隊の哨戒機が低空飛行で韓国軍の艦艇に迫ってきた場面などは含まれていなかった。

 日韓間の協議はその後も続いたが、主張は平行線をたどるだけだった。

■権力中枢ばかり向いたパフォーマンス

 事実関係をめぐる双方の主張が大きく食い違う状況は、にわかに市民感情にも悪影響を与えた。
日本では、自衛隊員の安全に関わる問題だけに看過できないとして、日本に厳しい姿勢であたる文在寅政権への評価は
いっそう下がっていった。

 韓国でも、北朝鮮漁船を懸命に救助している最中に自衛隊哨戒機がからかうような挑発を加えたことが問題であり、
レーダー照射の有無は本質ではないといった議論が出るに至った。

 だが先鋭化する対立とは裏腹に、日韓両政府内では、あまり自国の正当性ばかりを強調するのは得策でないという指摘が出始めていた。

 日本政府内では、当事者である防衛省が「被害」を強調したが、他の関係省庁が同じ見方をしたとはいえなかった。

 音声処理がされていない、撮影されたそのままの当時の映像を見た日本政府関係者は当時、
「あれ(無加工の映像)がもし公開されると日本側にまったく非がないとは言えなくなるのではないか」と心配そうに語ったことがある。

 やはり映像を見た別の日本政府関係者も「防衛省がしゃかりきになって韓国側を批判しているのが不自然。
映像があまりに素早く用意され、すぐ官邸に上がったことに驚いた」と話した。

 韓国側でも権力中枢の意向に沿うような行動を嘆く声が出ていた。
外交安保部門の韓国政府関係者は問題発生からさほど時間が経っていない段階で、こう語った。

 「国防省は火器管制レーダーを照射していないと言っている。
ただ、海軍が自分たちも南北融和に努めていることを大統領府などにアピールしたいがあまり、
それを邪魔するような哨戒機の行動に強い不快感を抱いたことは否定できない」
ー後略ー
箱田 哲也 :朝日新聞記者

全文はソースから
7/20(土) 9:02配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/e969cbdd423dfbcbadd1e6d258f703c201025c49


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