日給1万7000円
「(マイナカードの偽造を行っていたのは)捕まるまでの4カ月間ぐらい。日本にいる中国人の友達が、中国にいるボスを紹介してくれた。会ったことはないですが、ボスは中国人の男。声の感じから、年齢はたぶん20代だと思う」
そして、手口をこう説明する。
「中国から届くカードに、パソコンとプリンターを使って、データで送られてきた(生年月日や氏名などの)文字と顔写真を印刷するだけですよ。(偽造に使用する)パソコンとプリンターは特殊なものではなく、市販のものでした」(同)
ずいぶんお手軽に犯罪は実行されていたようなのだ。
「(作業は)大阪(市の自宅)で、夜10時から午前3時まで。ボスの指示でその時間に仕事していた。ボスから電話やチャットで指示があるので、それに従って作業していました」
指定された作業時間は深夜帯。指示役の警戒心がうかがえよう。報酬については、
「日給制だった。最初は1日600元(約1万3000円)。(中国のIT大手テンセントが開発したモバイル決済サービスの)WeChat Payで受け取っていました。仕事を始めて2カ月したころに辞めたいと相談したら、1日700元(約1万5000円)に上がった。その翌月も、また辞めたいと話したら1日800元(約1万7000円)になりました」
「毎月600~1800枚偽造」
加えて、彼女はマイナカードの偽造以外にも「危ない仕事」を行っていた。
「在留カードも作っていました。割合で言うと、マイナカードよりも在留カード(の偽造)が多かった。在留カードはベトナム人のものが多くて、フィリピン人、タイ人、インドネシア人、中国人が少し。ビザが切れていたり、働くビザがない人が買っていた。マイナカード(の購入者)は、ほとんどが日本人。携帯電話を契約するのに使っていると聞きました」
社会部デスクが言う。
「彼女はマイナカードや在留カードを、毎月600~1800枚偽造。5カ月間で200万円ほどの稼ぎがあった。また、中国国内の組織はそうしたカードを“顧客”に1枚約1万円で販売。少なくとも、3000万円ほどの売り上げがあったものとみられています」