現代ビジネス
会社員・優花さん(23歳=仮名)は 上京1年目、スーツ姿が似合う女性だ。会社帰りのある時、電車内の対面に座る男からずっとチラチラ見られる「見るだけ痴漢」の“被害”にあった。
不必要な視線は迷惑行為
優花さんが言う。
「先ほど(前回記事で)、お話した電車での一件以来、電車はもちろん、カフェなどの店内や、しばらくは街中ですれ違っただけの男性の視線すら、気になって不快感を覚えるようになってしまいました。もちろん、心労とまでは決して言えませんし、私が気にしすぎるようになっているだけなのだとは思います。
ただ、それからというもの、他の女性を見る男性の視線すらも、気になるようになってしまいました。例えば、少し混み合った電車でずっと側に立っている女性のうなじ付近を見ている人や、エスカレーターの上り方向に乗っている人が前に立つ女性の下半身を見ているところなどを見かけて、とても気味が悪い思いをしました。むろん、そのような人はごく一部だと思いますが、軽く男性不信になった気もしています」
みだりに他人の容姿を見るのは迷惑行為
優花さんは、こうした男性の時に無遠慮な視線について、仲のいい男性の友人に相談し意見を求めた。すると、
「『ジロジロ見るような、不愉快な行為は絶対にダメだけど、綺麗な女性をチラ見してしまうのは、男性としては仕方ない面もある。許してあげてよ』と、言われたのです。それに私はショックで…。これはジロジロ見るか、チラ見で済ませるかのバランス感覚の問題ではなく、悪気がない場合でも基本的に街ですれ違う他人の容姿を興味本位で見る行為自体、不適切ではないでしょうか。
私や、おそらく多くの女性は、べつに他人に見られるためにオシャレやお化粧をしているのではありません。『何を他人の容姿をタダで勝手に楽しんでるんだ! 』とまでは思いませんが、どうなのかなという思いは感じます。
男性はチラ見しても気付かれてないと思っているかもしれませんが、女性にはすぐわかるものです。不愉快に感じる女性も多いことはわかってほしいなと思います」
もちろん、女性でも、タイプの男性がいれば、視線を向ける場合があるかもしれない。ただ、人の容姿を条件反射的に自己の興味の対象にするのは、迷惑行為と言えるだろう。