尹氏は、自身の失言や夫人の不正疑惑が影響し支持率が過去最低を更新する一方、日本では文前政権下で「過去最悪」と評された日韓関係の改善姿勢を評価する声も上がる。「こんなにひどい大統領が日本では称賛されているのか」というのが、韓国人客の質問の趣旨だった。
日韓関係に詳しい韓国人教授の一人は、国内の反発を抑え東西冷戦を終結に導いた旧ソ連の指導者になぞらえ、尹氏を「韓国のゴルバチョフ」と表現。「これほど日本に『甘い』大統領は保守陣営でも二度と表れないだろう」と強調する。
尹氏は目下、国会の多数を占める革新系野党の攻勢を受け、弾劾罷免の危機が迫りつつある。韓国紙記者は「政権に近い保守系紙が社説を通じ大統領に強く軌道修正を促しているのは、弾劾に現実味がある証左だ」と指摘する。
歴史書には尹氏が日韓関係改善の立役者として記録されるのか、それとも韓国社会の分裂を加速させた汚名を残すのか。引き続き注視していきたい。(時吉達也)