複数の政府・与党関係者が明らかにした。23日までの今国会の会期は延長せず、政治資金規正法改正案の成立を目指す。終盤国会の情勢を踏まえて最終判断するが、立憲民主党など野党が内閣不信任案を提出した場合も与党の反対多数で否決する構え。国会閉会後、人事作業を加速させる。
首相の総裁任期は9月末まで。内閣改造・党役員人事は例年8~9月に行われることが多いが、「総裁選直前の人事は難しい」(首相周辺)として、7月中も視野に実施時期を探る。
人事では裏金事件のマイナスイメージ払拭につながる刷新感を重視する見通し。官邸内には、知名度の高い有力議員や解散を決めた派閥の実力者など幅広い人材を起用すれば、総裁再選に向けた党内基盤を強化できるとの声もあり、首相は慎重に検討するとみられる。
首相は当初、総裁選前に衆院選を実施して勝利し、総裁再選を確実にする戦略を描いていた。ただ裏金事件を受けて内閣支持率は20%台に低迷しており、今国会中の解散には与党内で慎重論が強まっていた。
2025年10月の衆院議員の任期満了までは1年半近くある。首相は総裁再選が確実な情勢になれば、秋以降を軸に解散の時期を探る意向だ。改造後の支持率次第では、総裁選前に衆院選に踏み切る可能性も残し、政権の求心力を維持したい考え。
しかし、世論の逆風を受ける首相が、狙い通りの改造人事を実現できるかは見通せない。国会閉会後も支持率低迷が続けば、党内で「岸田降ろし」が本格化する可能性もある。